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交わる文化と文化 築上町で過ごした4年間(1)

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福岡県築上町

令和元年7月に国際交流員CIR)として築上町にやって来たリアン。その活動は毎月の「Austra“Leanne”Story~リアンの築上日記~」で紹介していました。国際交流員は言語を教えるALTとは異なり、国際交流の進展、主に文化の共有を目的としています。リアンの国際交流員としての任期は7月28日まで。任期を終えるリアンにインタビューしました。

◆4年前、町に来る前ときてからのギャップはありましたか?
「町」と聞いてもっと田舎を想像していました。来てみるとお店なども近くにあり、便利なところでした。大都会より落ち着いた場所が好きなのでちょうどよかったです。

◆町の生活で大変だったことは?
ごみの分別が少しむずかしかったです。でも築上町は分別の種類がほかの町に比べて少ないことを知り、よかったと思っています。

◆着任時に言っていた「書道」「神楽」「日本料理」「お弁当」は体験できましたか?
書道は毎週1回、築城の教室に通い、日本習字(毛筆)の準2段を取得しました。
また、神楽は身の句芸能祭やお祭りで見ることができました。舞う事はむずかしそうで、信仰のちがいもあり断念しましたが、見るのは好きで、特に楽打の演奏に感動しました。
日本料理はそば打ちやうどん打ちを体験しました。小皿で何品も作る日本の料理に感動。でも一番好きな日本食はラーメンにカツ丼で、炭水化物が大好きです。お弁当はちゃんと習えたらよかったと思いますが、玉子焼きとごはんと前の日の残り物などで自己流のお弁当を作っていました。キャラ弁を作れる日本のお母さんを尊敬します。

◆日本の好きなもの(当初は折り紙と和食)に変化はありましたか?
変わっていませんが、金唐革紙など日本の伝統的なものが加わりました。昔から続いている技術に惹かれます。折り紙は日本に来て、コアラが折れるようになりました。

◆活動の中で印象に残っていることは?
活動期間はコロナ禍で、予定したイベントがほとんど中止になってしまった時期もあり、できることを考えるのに苦慮しました。その中でたどり着いた「オーストラリア給食」はオーストラリアの子どもたちが食べているランチを献立から作り、調理員さんとの試食会などを経て、ようやく実現しました。給食を食べながら見てもらえる紹介動画も作り、町内の全小中学校で実施できたことはよかったです。
昨年度やっと学校訪問ができるようになり、実際に子どもたちと交流できたときはうれしかったです。子どもたちが思い思いにかわいい質問をしてくれることがとても楽しかったですね。

◆プライベートで印象的だったことは?
旧藏内邸で煎茶を飲みながらの観月会、他市町の国際交流員を誘って参加した、もみじウォーク、やぶさめなどコロナ前に参加できたイベントは思い出に残っています。また、日本各地にたくさん旅行できたことも思い出です。

◆築上町のこと、日本のこと、リアンにはどんな風に見えていますか?
築上町はすぐに私を受け入れてくれた、人がやさしくてにぎやかな町だと思います。
日本は島国で、日本の人は長い歴史の中で同じ文化を共有していると思います。だからみんな同じ感覚で、空気を読むような、言わなくてもわかり合うようなところが平和的で好きです。異文化同士だとそうはいかなくて、言葉で言わないと伝わらないです。
それから、平和的に暮らせるように自分のことよりもグループのことやみんなのことを優先して考えているところがすばらしいと思います。

◆国際交流をすること、文化を共有することは大事だと思いますか?
はい。日本は長い歴史で同じ文化を守っていてすばらしいです。そこにほかの国の考え方があることを意識する、理解することでもっと自分の考えが広がると思います。自分の考えに慣れ過ぎることは困る部分もあります。異文化を自分の習慣にまでしなくても、ほかのやり方があることを少し知るだけで考え方が平和的に変わっていくと思います。
学校訪問に行ったとき、子どもたちから「海外に行ったら一番大事なことは何ですか」という質問がありました。「あいさつ!」と答えましたが、みんなが海外のことだから関係ないと思っていなくて、外国に目を向けていることがうれしかったです。また、私がそのきっかけになれていたらいいなと思います。

◆任期を終えたあとの活動予定は?
母はオーストラリアに戻ることを待っていますが、違う職場の経験を積みたい、日本語をもっと学びたい気持ちから、日本に残り、別の職場で翻訳や通訳の仕事をする予定です。将来的にはその経験を生かして、ほかの外国人のサポートができたらと思います。翻訳者になることが今の夢です。

◆みなさんにメッセージをお願いします
「築上町の皆さん、4年間一緒に活動させていただきありがとうございます!町に来てからずっと歓迎してもらっていると感じています。皆さんと仲よくなり思い出をたくさん作ることができ感謝しています。文化や言語の紹介、ふれあいなど、これまでの皆さんとの交流活動が「世界に興味を持つ」「文化を学ぶ」という異文化交流の循環を作り出していたらうれしいなと思います。またいつかお会いできるのを楽しみにしています。」

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