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自治体の皆さまへ

おまたの三年

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福岡県築上町

■11月で3年間の任期を終え、地域おこし協力隊を卒業
令和3年12月に築上町の地域おこし協力隊として着任した小俣元稀さん。小俣さんは「体験型地域おこし協力隊」として1年目は町のさまざまな地域づくり活動を体験取材し、その魅力を発信しました。2、3年目は豊築森林組合で実際に働きながら、地域づくり活動の支援を行いました。今月で任期を終える小俣さんにインタビューします。

◇活動を大きく分けると最初の1年間の体験取材と2年目以降の森林組合での活動。それぞれの感想は?どうして活動先に森林組合を選んだの?
自分にとって最初の1年間の体験取材は言われて町に来ていたらマッチングがうまくいかない場合もあるし、1年目がなかったら森林組合を選んでいなかったと思います。町の人と仲良くなるきっかけにもなったと思います。
森林組合を選んだ理由は自然の中で働くのがいいなと思ったことや森が私たちの生活の根幹にあると知ったこと、出前授業に興味があったこと、それから人ですね。森林組合は話しやすくて気さくな方ばかりです。

◇町に来てからのギャップはあった?
最初電車で来たとき、車窓からの景色が思っていたより田舎で「やばい。大丈夫かな」と思いました(笑)住んでしまうとまったく不便はなく、野菜などのもらい物で生活をサポートしてもらいました。

◇パッと一番に思い出す印象的な活動は?
迷いますが、朝4時から行うスイートコーンの収穫やイカ漁など一次産業の体験が思い浮かびます。

◇一番頑張った活動は?
小学校で行った出前授業です。林業を知ってもらう内容で、準備に半年をかけました。自分が目標にしていた「森林組合と学校のかけはし」になれたのかなと思っています。初めての取組だったので、不安がありましたが、たくさんの人に助けてもらって、森林組合と一致団結してできたことがうれしかったです。自分の配慮が足りなくて迷惑をかけたことも多々ありましたが、成長できた取組でした。子どもたちが喜んでくれて、家で出前授業のことを話してくれていたと聞いて、してよかったと感じました。

◇3年間で小俣さん自身の変化は?
町に来てから体重が10kg減りました。山の作業で健康的に痩せましたね。そのおかげで尿酸値も改善しました(笑)それから山のことに詳しくなって、出かけた先でも山や木を見るようになりました。土地土地での森のちがいがわかるようになったのも変化です。
また、映像の仕事に興味を持って、実際に映像編集をし始めたのも、町に来て、周りの人に触発されたことがきっかけです。

◇小俣さんから見た築上町は?
「人があったかい」と一番に思います。次に「自然」や「伝統」。築上町=かかわった人たちが浮かびます。

◇地域おこし協力隊になってよかった?
そりゃもうよかったですよ。こういうポジションだからこそ、町の方たちから受け入れてもらいやすいし、背景がさまざまな全国の協力隊と出会えてつながりができたことで自分の視野が広げられました。私の協力隊の志望動機が「いろんな仕事を経験して視野を広げたい」だったので、それは築上町の協力隊にならなかったらできなかったと思います。

◇築上町の林業、どう思っている?
「植える、加工する、販売する」を一貫して行っているのは全国的にも珍しいです。もっと知られてもいいのかな、知ってほしいなと思います。その思いでPR動画をたくさん作りました。

◇「よそ者」から見る築上町の魅力って?
意外とお店があるなと思います。店が少ないと言う人もいますが、町に住んでみて、実は楽しめると思っています。「太公」の唐揚げや「一味」のネック丼、「まるくる」のお好み焼を自分が頑張ったときのごほうびで食べていました。閉店する前は「マルマ食堂」にも行っていて、なくなったことが本当に悲しい。生活面では「ルミエール」の存在がありがたいです。それから、来た当初から言っていますが、綱敷天満宮の雰囲気が変わらず好きです。よくひとりで行っていました。

◇任期後の活動は?
関東で映像制作の仕事をしたいと思っています。調べると、その分野の会社は大多数が東京都内に集中しています。今は研修などで映像を学び、ほぼ独学で動画を作っていますが、プロフェッショナルの現場に一度入って自分の技術を固めたい気持ちがあります。そこで学んだことを築上町に還元したいと純粋に思っています。

◇任期後のことを決めるのは悩んだ?
任期後、町に残れるようにギリギリまで考えていました。本当に悩みました。今でも活動が終わることを考えたくない気持ちです。

◇これからの夢は?
築上町の動画を1つ作りたいのと、町から離れてしまうので、離れていても見てもらえるような映像を作りたいです。映画でもCMでも何でもいいのですが、こんなことを今やっているんだとみなさんに気づいてもらえるような仕事をしたいです。

◇町のみなさんにメッセージを
これから将来を考える方には、私は協力隊になったからこそやりたいことが見つかったので、1つの場所に縛られずに柔軟に考えてほしいと思います。この3年間で交流した方には「本当にありがとうございました」ですよね。よくわからない自分を受け入れてもらって「ありがたい」しかないです。関係を切らせたくないのですが、自分からあまり連絡できないタイプなので連絡をください!(笑)

小俣さんが作った豊築森林組合のPR 動画はこちらから(二次元コードは本紙を参照してください。)

※地域おこし協力隊は、都市部から人材を受け入れ、「地域協力活動」に取り組んでもらいながら町の活性化を図る制度です。

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