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自治体の皆さまへ

寒田に恋して(2)

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福岡県築上町

■12月で3年間の任期を終え、地域おこし協力隊を卒業
◇加藤さんから見た築上町は?
ポテンシャルが高い町だと思っています。九州を知れば知るほど、似た町はたくさんあります。でも、結局町をどれだけよく見せるか、ブランディング次第だと思います。町に来て、「なんで築上町に?」「何もないでしょ?」とたくさん言われました。謙遜文化もあると思いますが、すごくもったいないし、悲しいと思っていました。確かに都会には築上町にないものがたくさんあると思います。でも都会にはない、築上町にしかないものもたくさんあります。例えば東京23区には海も山もありません。改めて考えてみたら、海も山もあるのはすごいことだと思うんです。実際、私の地元にも海はないです。ないものばかり探さず、あるものを見る。みなさんがそうすることでもっと町の魅力はたくさんの人に伝わると思います。何も知らない移住者は、「この町には何もない」と言われたら、本当に何もないと思ってしまいます。町のマイナスイメージを作ってしまっているとしたらもったいないと思います。ちなみに、寒田の人は寒田が一番だと信じてやまないので、私が東京出張から帰ってきたときも、開口一番「東京より寒田の方がいいやろ?」と言います(笑)私は寒田の人のこういうところが本当に好きです。

◇築上町のまちづくり、どう思っている?
どうしても寒田地区の話になってしまいますが、寒田はまるでひとつの国のようだと思います。自分たちの地域は自分たちで面倒を見る、そんな意識のある方が多い地域です。「寒田の中でもっとお金を回さないけん。寒田のものを使った商品を作って、それを外の人に売って、そのお金で寒田の野菜や米を買う、そうしてお金を回そう」と寒田の人が言っていて、これ、平均年齢65歳超えで、人口も150人を切っている地域の話ですよ。でも、寒田の人たちと話していると、実現できる気がしてくるんです。私一人いなくても回っていく地域。でもその実行力とスピード感がすごくかっこよくて、思わず応援したくなる地域です。

◇任期後の活動予定は?
「ミツケタデザイン」という屋号で、デザイナーを本業として築上町で暮らしていきます。チラシ・ポスターや商品パッケージ、看板、のぼり、ロゴデザインなど幅広く作ります。「こんなことをしたいんだけど」と思いをかなえるお手伝いからさせてもらえれば嬉しいです。
また、来年の3月頃に下築城で喫茶店をオープンする予定です。まだ構想段階ですが、寒田のお米や野菜を使った料理を提供できたらと思っています。それから地元愛知県の名物、モーニングサービスは必ずやりたいと思っています。デザイナーだけだと地域の方との関係が少なくなってしまうのがさみしくて、喫茶店をしようと思いました。でもまだ建物も改装途中です(笑)

◇町のみなさんにメッセージを
私はこの3年間で大きく人生が変わりました。大人の3年間は一瞬で、協力隊になっていなかったら変化もなく、ただ日々を過ごすだけだったと思います。もし地域づくりに興味のある方がいたら、ぜひ一度考えてみてほしい選択肢です。
3年間で出会ってくださった方へ、改めて、本当にありがとうございました。私がずっと楽しく過ごせたのは、いつもあたたかく接してくれたみなさんのおかげです。これからも築上町で過ごしていくので、喫茶店がオープンしたら遊びに来てもらえると嬉しいです。

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