田舎だけど超最先端!?築上町の教育

1／36

築上町が「学校情報化先進地域」に認定されました。この認定を説明するためにはまず、日本教育工学協会(JAET)のことからご紹介しましょう。JAETは、教員、研究者、企業で組織し、昭和46年の設立以来、教育工学の研究を通して、教育向上のためにさまざまな取組を行っています。現在は2千人に及ぶ教員のほか、100人を超える研究者、多数の賛助企業が協力し、この分野の発展に努めています。
JAETは教育の情報化の推進を支援するために、総合的に情報化を進めた学校(小・中・高校)を認定する学校情報化認定に平成26年度から取り組んでいます。「情報化の推進体制」を整え、「教科指導におけるICT活用」「情報教育」「校務の情報化」に積極的に取り組んでいる学校が学校情報化優良校として認定されます。そして、学校情報化優良校が一定以上の割合になった地域が学校情報化先進地域として認定されます。
築上町は町立の学校10校すべてが学校情報化優良校に認定されており、ヒアリングなどの調査の結果、この度、学校情報化先進地域として認定されました。現在県内で認定されているのは5自治体だけです。
今回は築上町の学校の進んだ情報化をご紹介します。

■1人1台のタブレット型パソコン
築上町は令和3年3月にWi-Fi環境を整備、児童生徒1人に1台、タブレット型パソコン(クロームブック)を配備しました。令和3年度から本格的に活用を始め、「クロームブックを文房具に」と取り組んでいます。

■主要5教科でデジタル教科書を導入
さらに特徴的なのは、デジタル教科書を主要5教科でまんべんなく導入していること、タブレットの毎日の持ち帰りを可能とし、家庭でデジタル教科書を使用して予習復習ができることです。これは全国的にもめずらしい取組です。

■「総合的な学習の時間」を大事に
子どもたちが自ら探究する学びにするために「総合的な学習の時間」のカリキュラムを見直しました。教師が手厚く支援するのは最初の導入におさえ、その後は子どもに委ねる学習としています。教師は子どもたちが自走できるアシストをします。

■教科を横断的に学ぶSTEAM(スティーム)教育
子どもたちはタブレットなどを活用し、自分たちで課題を見つけ、その課題を解決する方法を考え、情報を収集、整理、分析し、まとめていきます。この過程の中では各教科で得た知識や技能をフル活用し、いくつもの教科が混在する学びとなります。より実践的な学習なので、学びをつなぎ、実社会に学びを生かしていける子どもたちに成長していきます。

■「未来思考」が建設コンセプト
令和9年4月に開校予定の椎田地区小中学校・地域コミュニティ一体型校は「未来思考」をコンセプトに建設中です。「未来思考」は、すべての子どもたちの可能性を引き出す個々に最適な学びと、地域などと協働する学びを一体化させ、充実させていく新しい学校の在り方です。

■学びの拠点、交流の拠点
最先端のICT環境とSTEAM教育に対応したラボやオープンスペースを備えます。1、2階が小中一貫校、3階がコミュニティセンターとなるので、小中学生と地域の方をつなぐ構成です。学校教育のみならず、生涯学習のベースともなっていくでしょう。

■そもそも情報化って??
情報技術(IT)が社会や生活の中で重要な役割を果たすようになること。わかりやすく言うと、日常生活や仕事で、コンピュータやインターネットを使う場面が増えている状況を指します。

■そもそもICT(アイシーティー)って??　Information　and　Communication　Technology
情報通信技術。ITとほぼ同義で、日本では、情報処理や通信に関する技術を総合的に指す用語としてITが普及しましたが、国際的にはICTが広く使われています。出典：デジタル大辞泉(小学館)

■そもそもなぜ情報化??
日本は、理数離れが深刻化しているうえ、デジタル人材が不足し、海外の人材に頼っている現状があります。世界に後れを取っているので、情報化は高度情報社会を生き抜く喫緊の課題となっています。

■最先端のゆえん
◇国(文科省)の委託を受けています
・新しい時代の学びの環境整備先導的開発事業(椎田地区小中学校・地域コミュニティ一体型校)

◇県の研究指定校になっています
・学ぶことに挑み続ける子どもを育む鍛ほめプロジェクト
・STEAM教育等の教科等横断的な教育課程の編成
・学校安全総合支援事業

◇Google認定教育者が町内学校に10人

■なんでできる?
◇新しい教育方法に対応するためには、まず教師がその方法を身につける必要があります。築上町の先生たちは日々研さんを積んでいます。
・ICT支援員によるオンライン研修(希望者に週1回)
・文部科学省ICT活用教育アドバイザーの研修(年9回)
・ICT活用授業研修(授業公開)(年3回)
・STEAM教育研修(全教員参加で年2回)
・情報モラル研修、生成AI活用研修

◇とにかく先生たちが熱い