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11月1日、芦屋釜の里資料館リニューアルオープン 重要文化財指定芦屋釜の公開始まる

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福岡県芦屋町

■茶の湯釜の名品、芦屋釜
南北朝時代(1337~1392年)頃から製作が始まり、室町時代には、茶の湯釜の名品として知られるようになった芦屋釜。発掘の成果から、現在の芦屋町中ノ浜付近で製作されたことがわかっており、「金屋」の地区名にその名残を見ることができます。
芦屋釜は、室町幕府足利将軍家にも献上された記録が残っており、遠く京の地の貴人達(公家、武家、僧侶など)の間で名声を博しました。しかし、十六世紀の半ば頃、芦屋一帯を治め、芦屋鋳物師最大の庇護者であった守護大名大内氏の滅亡などの要因が重なり、芦屋釜の製作は徐々に衰退します。そして、江戸時代初期頃には、その製作は一度途絶えます。
製作が途絶えた後も、芦屋釜は茶会の主役を務める重要な道具として珍重(ちんちょう)されました。その芸術性、技術力に対する評価は今なお高く、国指定重要文化財の茶の湯釜9点のうち、8点を芦屋釜が占めています。

■重要文化財指定芦屋釜の入手
国指定重要文化財の芦屋釜8点のうち、7点は全国の著名な美術館・博物館に所蔵されており、生まれ故郷である芦屋町が所有することは叶いません。しかし、民間にあった残りの1点を、令和2年、芦屋町が入手することに成功しました。
その釜は、今からおよそ600年前の室町時代初めに造られた「重要文化財芦屋霰地真形釜(あしやあられじしんなりがま)」です。胴部全面に整然と霰文(あられもん)を表す美しい釜であり、全体がほぼ完存していることから、室町時代の芦屋鋳物師達が求めた美意識をそのまま知ることができます。

■芦屋釜の里資料館をリニューアル
芦屋町が入手した重要文化財の芦屋釜を収蔵展示するため、芦屋釜の里の資料館の増築・改修工事を行いました。11月1日より、いよいよリニューアルオープンし、重要文化財指定芦屋釜を公開します。
増築した施設は、国指定重要文化財などを展示する「展示室一」、講座やワークショップなどを行う「講座室」などで構成されています。通路や庭を茶室へ続く「露地(ろじ)」、展示室を「茶室」と見立て、茶の湯の風情(ふぜい)を感じられる空間となっています。
詳しくは、巻末の「歴史紀行」に掲載していますので、見てください。

■資料館リニューアルオープン記念特別展の開催
芦屋釜の里では、資料館のリニューアルオープンにあわせて、重要文化財公開・改装開館記念特別展「芦屋釜600年の旅~室町から現代へ~」を開催します。
この特別展では、展示室一(新展示室)で古作釜、展示室二(既存展示室)で現代の芦屋釜等を展示します。新収蔵の重要文化財指定芦屋釜をはじめ、九州国立博物館などの協力を得て、芦屋釜の名品を展示します。また、芦屋釜復興を進める中で製作された現代の芦屋釜もあわせて展示します。
室町から現代へ。芦屋釜の600年をたどる旅を楽しんでください。
日時:11月1日(金)~12月27日(金)・午前9時30分~午後5時(入館・呈茶受け付けは、午後4時30分まで)
※平日の月曜日は休館日です。月曜日が祝日の場合は翌平日休館です。
場所:芦屋釜の里資料館
料金:
〔入館料〕18歳以上…300円、高校生・中学生・小学生…100円、小学校就学前…無料
〔呈茶料〕18歳以上…400円高校生以下…300円

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