文字サイズ
自治体の皆さまへ

芦屋歴史紀行 その三百三十三

21/26

福岡県芦屋町

■ミシンと洋服温かさと思い出と(4)

●ミシンの登場
突然ですが「ミシン」は何語だと思いますか。英語では「ソーイングマシン(sewing machine)」と呼びます。現在とほぼ同じ構造のミシンは、1850年にアメリカでドイツ系の血を引くアイザック・メリット・シンガー氏(後にシンガー社を設立)によって発明されていることからドイツ語でしょうか。いいえ、実は日本語なのです。ソーイングマシンの「マシン」の部分が変化して「ミシン」となり、ミシンが登場した頃は「裁縫ミシン」が正式名称として使われていました。ミシンは、誕生から手回し式、足ふみ式、電動式と進化を遂げており、その進化には日本の技術力が大きく関わっています。現代でも日本のミシンブランドは、世界の多くのシェアを獲得しており、車、カメラ、空調機器やそのほかの家電に並ぶ優れた開発力で、日本の工業のレベルの高さを裏付けています。
ミシンには大きく分けて家庭用、職業用、工業用があります。

◇家庭用ミシン
家庭用ミシンは、初心者の人でも扱いやすく多機能なミシンです。職業用ミシンや工業用ミシンとは異なり、さまざまな縫い方ができる点が最大の特徴といえます。ジグザグ縫いやボタンホール作り、布の種類に合わせた糸調子機能、刺繍(ししゅう)機能を持つタイプもあります。そのため、家庭用ミシンは保育所、幼稚園などの入園グッズや小物、洋服づくりなど、家庭で裁縫を楽しみたい人に適したミシンです。家庭用ミシンは大きく分けて、電動ミシン、電子ミシン、コンピュータミシンの3種類があります。

◇職業用ミシン
職業用ミシンは、直線縫い専用のミシンです。大型のモーターを搭載しているので家庭用ミシンよりもパワーが強く、デニム生地のような厚手の生地を縫いやすい特徴があります。デニム生地を、12枚重ねて縫えるものもあります。

◇工業用ミシン工業用ミシンは縫製(ほうせい)企業で使用され、衣類や靴、バッグなどの縫い物全般に使われているミシンです。直線縫い専用のミシン、縁かがり専用のミシン、ボタン付け専用ミシンなど、1つの機能のみを持っていることが特徴です。縫製スピードが職業用ミシンより高速であるため、大量生産に適しています。重量は約80kgにもなり、運転音が大きいことから、家庭での使用には向きません。工業用ミシンの扱いには技術が必要なため、上級者向けのミシンといえます。

(芦屋歴史の里)

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU