文字サイズ
自治体の皆さまへ

明治時代、世界の人が初めて源氏物語を読んだ

2/34

福岡県行橋市

THE MOST CELEBRATED OF THE CLASSICAL JAPANESE ROMANCES.
日本の最も有名な古典ロマンス

◆世界初 源氏物語の翻訳をした末松謙澄
令和6年1月より、紫式部が主人公のNHK大河ドラマ「光る君へ」が始まります。その紫式部の代表作『源氏物語』を十九世紀末の明治時代に世界で初めて英訳出版し、海外に広く紹介したのは行橋市出身の政治家であった末松謙澄でした。
末松謙澄(一八五五~一九二〇)は行橋市前田の生まれ。9歳で村上佛山が主宰する水哉園に入門し漢学を修め、16歳の時に青雲の志をたて上京します。上京後は英語を習得し、22歳で伊藤博文の支援を得てイギリスに留学。帰国後は政治家として活躍し、衆議院議員として伊藤内閣の逓信大臣、内務大臣などの重職を務めました。一方、歌舞伎を近代社会に相応しい演劇として改良した「演劇改良運動」、ウィリアム・アンダーソンが著した『日本美術全書』の翻訳出版、晩年は長州藩の維新史『防長回天史』の編纂などマルチな才能を発揮しました。
謙澄の多くの業績の中でも特筆すべき功績として『源氏物語』の英訳出版が挙げられます。イギリス留学中の明治十五年(一八八二)、謙澄27歳のことでした。当時の日本はヨーロッパから中国の属国程度にしか認識されておらず、留学中にそのような状況を憂い、祖国日本の評価を高める手段として『源氏物語』の英訳を行いました。その序文では「読者へ文学作品としての面白さを提供することではなく、千年前の日本の政治史・社会史の情報を伝えることである」と述べており、日本という国の再評価を広く求めたことが伺えます。
この英訳本は『源氏物語』全54帖のうち、17帖までを一冊にまとめて出版したものでしたが、のちに出版された数々の英訳版に多大な影響を与えたことはいうまでもなく、帰国後、謙澄はこの功績で日本初期の文学博士の一人に選ばれています。

◆行橋市制70周年記念プレイベント 知の巨人・末松謙澄と『源氏物語』
日時:令和6年2月12日(月・振休)14:00~
会場:コスメイト行橋
定員:400人 ※先着順
料金:無料

◇シンポジウム
講演:城戸淳一「末松謙澄という人―イギリス留学までを中心に―」
招待講演:佐野みどり「末松謙澄と源氏文化―江戸から現代へ―」
企画展解説:小川秀樹「『源氏物語』の時代と京都平野」
申込期間:令和5年12月1日(金)~令和6年1月15日(月)必着
※チケットは締切後に事前送付
応募方法:郵便番号・住所・氏名・電話番号を明記の上、右の二次元コード(本紙参照)またはハガキ・FAX・メールにて下記へ申込み。

お問合せ:文化課(内線1371)
【FAX】25-1582【E-mail】bunkaka@city.yukuhashi.lg.jp
【ID】0024639

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU