10月10日に市制70周年を迎える行橋市。70年の時を共に歩んできた企業をクローズアップ。
◆(有)カワイチ
建設戸建て住宅のほか、小中学校や県営住宅等公共工事も手掛ける有限会社カワイチ建設。昭和29年(1954年)10月1日に設立。10月号発行日に70周年を迎える企業です。現在代表取締役を務めるのは、物腰柔らかで穏やかな川本博文さん。隣でしっかりと支えるのは、会社の事務仕事をこなす妻、文(あや)さん。
博文さんは父、一(はじめ)さんの後を継ぎ2代目。創業当初は苗字を取って「川本組」だったそうです。現在の社名は「有限会社カワイチ建設」。これを聞いて、ピンと来た方もいらっしゃるでしょうか。川本さんなのになぜ「カワイチ」なのか疑問に思っていましたが、そうです、苗字の「川」の字と、お父様の名前「一」さんの文字を取って「カワイチ建設」となったのです。当時、カタカナ表記の社名は珍しかったと言います。
泉小中、仲津中、今川小、中京中の校舎や体育館等、市内の多くの建設現場に携わってきた川本さんですが、泉中学校の校舎建設時、稀に見る大雪でコンクリートが乾かず、バーナーで乾かしたとういう苦労話もありました。
建設業に留まらず、博文さんのエピソードは地域貢献へと続きます。今年は台風10号の影響で、残念ながら中止となった夏祭り「こすもっぺ」ですが、博文さんは市制40周年の(1994年)第6代こすもっぺの実行委員長を務めており、当時「灯山」の設計にも携わっていました。夏の夜を優しく照らす灯山、博文さんの地域貢献やモノづくりへの想いがそこに込められていました。
大きなイベントだけではありません。区長としても17年間地域を見守る博文さん。文さんも民生委員を担うなど、夫婦で地域に根差した活動を行っています。博文さんが長年区長を務める小犬丸区では、コロナ禍で中止となっていたゴールデンウイークのお祭りを今年は数年ぶりに開催。以前は地区内の各お宮で行われていたお祭りですが、子どもの人口が減少したことから、一か所に集約して開催しているそうです。今年も踊りや子ども縁日、菓子や餅投げ等が行われました。「こすもっぺの実行委員長を担っていたときもそうでした。従来どおりにやる方が楽ですが、やるからにはより良いものにしたいと、常に改善・改良する気持ちを忘れません。」と職人気質な博文さん。「地区のお祭りも、伝統や文化を後世に繋いでいくために、その時代に合わせて形を変えながら開催しています。」とお話ししてくれました。
建設業として地域に関わるだけでなく、長年に渡りこすもっぺや地区のお祭り等積極的に関わってきた博文さんですが、会社が市と同じく70周年を迎えるだけではありません。なんと、博文さん自身も今月70歳(古希(こき))を迎えます。博文さん自身がまさに市と共に70年を歩んでこられています。「行橋での70年間を振り返ると、やはり印象に残っているのは土曜夜市です。わくわくして出かけた子どもの頃の思い出は、今でも鮮明に残っています。あの頃のような活気を街中や地区で感じられるような市になっていって欲しいと思います」。と、今後の行橋への期待をお話ししてくれました。
・代表取締役の川本博文さん。
23歳から40歳にかけて美夜古(みやこ)青年会議所に所属。その後も商工会議所青年部で3年間会長を務める等、積極的にまちづくりに参加してきました。
・妻の川本文さん。
多忙なご主人を、縁の下で支える頼もしい存在。民生委員も務め、地域の方々の支えとしても活躍されています。
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