◆(株)ナカムラ
街のスポーツ用品店、ナカムラスポーツ。昭和25年(1950年)10月に中村義直(よしなお)さんが衣料品店を営んでいたところから始まります。当時はまだスポーツ用品の取り扱いは、2割程度しかなかったそうです。スポーツ用品をメインで取り扱うようになったのは、現在会長の直人(なおと)さんの代になってから。当時、「体育の授業は体操服でするもの」という現在では当たり前の文化がまだ生まれていなかったと言います。ちょうどその頃、京都高校で体操服が導入されるようになり、徐々に体操服の文化が広がっていきました。「当時、商店街で車を所有しているお店はほとんどありませんでした。弊社は車を2台所有し、営業に力を入れていました。」営業に走り回っていた頃を思い出し、語ってくれたのは直人さん。
現在は3代目の公一さんが代表として活躍されています。「ナカムラスポーツと言えばグローブ」このイメージを定着させたのが公一さんです。公一さん自身も高校時代に県大会に2度出場するほどの野球の腕前。そんな公一さんが手掛けるグローブのオリジナルブランド「Lone Star(ローンスター)」は、現在全国からオーダーが入る主力商品となっています。「湯もみ」加工を施すことで、プレイヤー一人ひとりの手に馴染ませることができる点が特徴です。「特に小さなお子さんは、新品の硬いグローブだと上手くボールが取れずに面白くない。手に馴染むように作りこんであげることで上手くボールを取ることができ、自信が生まれ野球が楽しくなる、好きになる。また、大人の場合は子ども用と同じように作ると消耗が早い。誰がどのように使うか等、計算して仕上げています。」さらに、公一さんに経営する上で心がけていることを伺いました。「人より一歩、いや半歩でも先に動けるように常にアンテナを張っています。インターネットでの販売も早い時期に始め、ネット販売が盛んになった今では、何か他との「違い」を意識して製造や販売に取り組んでいます。現在全国から年間約400~500個のグローブの発注が来ていますが、目標は年間1,000個。目標や意識を高く持ち、挑戦し続けることも大事だと考えています。」お店のブログやInstagramでは、ほぼ毎日グローブの紹介が投稿されています。そういった努力も、Lone Starのファンが増える理由ではないでしょうか。
公一さんもまた、これまでの行橋を振り返るにあたり「夜市」のお話をされていました。「夜市で賑わう風景は、今でも鮮明に覚えています。その頃の記憶があるからこそ、この街が好き、行橋が好きという想いがあります。この大好きな街、行橋でこれからも地域に根差した経営をしていきたいです。」そんなナカムラスポーツの地域貢献は、ソフトボール大会「ナカムラスポーツ杯」があります。野球人口が減っていく中で、地域を盛り上げようと今年で13回目の開催になります。
他との違いを意識して経営を行っている公一さん。行橋で光り輝くひとつの星(Lone Star)で在り続けるよう、今後の活動にも期待しています。
・ボールを取るプレイヤーのことを考えながら、湯もみ加工を施します。
・湯もみが施されたあと、吊るして干されているグローブたち。
・オリジナルグローブに使用される牛皮。一頭丸ごと仕入れるため、手前は柔らかい皮、奥は硬い皮が使える。部位ごとのそれぞれの良さを活かし、グローブに配置。
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