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行橋の生命(いのち)を繋ぐ者たち —救命救急24時—(2)

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福岡県行橋市

◆救急隊員と救急救命士は何が違う?
救急救命士は国家資格であり、一般の救急隊員も傷病者の救急処置を行うことができますが、救急救命士はそれよりさらに高度な処置を行うことが可能です。具体的には、医師の指示のもとで気管挿管や静脈路確保(点滴)、薬剤(アドレナリンやブドウ糖)の投与といった特定行為と呼ばれる救急救命処置を施す権限が与えられています。

入庁24年目の出口綾人さん。救急救命士を目指したきっかけについて、「自分が知識を深め、より高度な処置を行うことができるようになることで、救える命がひとつでも増えてほしい。さらには、大切な家族や友人が倒れたとき、救える人間になりたいと考えたからです。」と話しました。日々命と向き合う緊迫した状況下での仕事、プライベートでも医療の専門書を読み研鑽に励んでいるそうです。また、尾田栄一郎さんの漫画「ONE PIECE」を読むことが息抜きになっていると言います。トナカイの姿をしたチョッパーと医者であるDr.くれはの印象的なシーンがあります。人一倍優しい性格のチョッパーに対し、彼女はこう言います。「優しいだけじゃ人は救えないんだ!人の命を救いたきゃ、それなりの知識と医術を身につけな!」「腕がなけりゃ誰一人救えないんだよ!」・・・自身が救急救命士を目指した動機と重なる部分があり、このシーンは何度も見返しているそうです。

保育園の頃から消防士を志していたという入庁13年目の田村俊樹さん。幼い頃からの夢を叶え、さらには救急救命士の資格を取得。「現場へ出動し、命を救えず悔しい想いをすることがあります。ある日、悔しい想いが溢れ出してきました。“現場で人を救える力が欲しい”ただただその想いで救急救命士を目指しました。」そんな田村さんの日課はランニング。自身の体を鍛えることにより、24時間いつでも出動できる体力を培っています。田村さんもまた、休日は趣味の読書や旅行でリフレッシュしているそうです。消防士を夢見た幼い頃からの愛読書は、サン=テグジュペリの小説『星の王子さま』。この物語では、王子さまは1輪のバラと出会います。そのバラを美しいと思い大切にしていましたが、ある日バラの花と喧嘩をしてしまいます。それをきっかけに王子さまは、ほかの星の世界も見てみたいと思い旅に出ます。旅の中で出会ったキツネの言葉「ものごとは心で見なくてはよく見えない。一番大切なことは目に見えない」。王子さまは1つのバラに振り回されていましたが、そのバラこそが王子さまにとって最もかけがえのないものだったことに気付かされるのです。目には見えなくてもそこに「絆」や「愛情」があり、そこに費やした「時間」があります。最初からそのバラが特別だったから時間を費やしたのではなく、時間を費やしたからこそ特別なものになったのです。「この物語は自分にとって、人間関係や仕事への誇り、趣味等・・・全てのことに当てはまると思い、何度も読み返しています。仕事への情熱や誇りもまさにそこに時間を費やしたからこそ特別であり、さらに自分がスキルアップすることでひとりでも多くの命を救えたらと考えています」。

◆生命を繋ぐ
今回のクローズアップでは、救急の現場と救急救命士を特集。通報者から救急隊、そして病院へと命のバトンを繋ぎ、ひとりでも多くの命を救おうとする姿が見られました。救急隊員が昼夜万全の体制を整えていても、救急車の不正利用等残念な現状があります。救急隊員だけでなく、私たちができることは何でしょうか。日頃から正しい知識を身に着け、ある日突然身近な大切な人に異変が起きたときも、冷静な判断の上、行動することではないでしょうか。

◆普通救命講習
大切な人を救うためにあなたも受けませんか?
日時:10/20(日)9:00~12:00
場所:消防本部
対象:市内在住、通勤・通学の方
定員:25人(先着順)
申込み:右記二次元コード(本紙参照)よりご確認ください 9/1(日)から申込開始

問合せ:救急係
【電話】25-5054
【ID】0011767

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