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特集 大切なのは人と人との思いやり~共に生きる多文化共生とは~(2)

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福岡県遠賀町

■外国人として「日本という外国で暮らす・働く」側の思い
▽技能実習生として日本に来ようと思ったきっかけは?
テーさん:小さい頃から外国に興味があり「外国で暮らし働きたい」と思っていました。大学の先輩が日本へ行ったことをきっかけに、大学卒業後は実習生として来日することを決めました。また、今まで支えてくれた父や母、小さな弟の将来を私が支えたいという思いもありました。介護という仕事を選んだのは、昔からおじいさんやおばあさんと関わるのが大好きだったからです。
アウンさん:大学卒業後、ミャンマーで働いていましたが、「経済的にもっと父と母を支えたい」「介護を学んで、将来両親に介護が必要になった時に介助したい」という思いがありました。また、「話すこと」が必要な「介護」という仕事をしながら日本語をもっと学びたいという思いもありました。だから、日本で介護の仕事をしようと決めました。

▽実際に日本で働いてみてどうですか?
テーさん:日本語がとても難しかったです。最初は一生懸命教えてくれる職員さんに遠慮して「分かりません」と言えなかったです。また、今の事業所では、自分だけが外国人。職員さんに相談できないから「間違えたらどうしよう」と、とても不安で怖かったです。でも今は、日本語にも職場にも慣れました。職員さんみんなが「温かい家族」みたいで大好きです。分からない時は、すぐに質問します。すると、とても分かりやすく説明してくれます。だから、とても安心して仕事ができています。
アウンさん:仕事を始めた頃は、日本語を話すことがとても難しく大変でした。でも、職員さんがいつも優しく教えてくれたり、分かりやすく話してくれたりして、だんだん大丈夫になりました。日本人の皆さんは仕事に厳しい時もあります。でも丁寧にきちんと教えてくれます。分からない時は、私が分かるまで手伝ってくれるのでとても助かっています。また、ご利用者さまも私の話し方に慣れてくれて「アンちゃん」と話しかけてくれるので、うれしいです。

▽日本に来て一番困ったことは?
テーさん:なかなか日本の食べ物に慣れなかったです。野菜の種類や料理の香り、味が、ミャンマーと全然違ったからです。でも、今はもう慣れて日本の料理を大好きになりました。また、病気になった時に、家族が近くにいないので「独りぼっちだ」と感じてとても心細く悲しくなりましたが、会社が病院へ行けるように手配してくれたのでとても安心しました。今は、自分の健康が一番大切だから、病気にならないようにしようと強く思っています。
アウンさん:日本のガスや電気、水道の料金システムがミャンマーと全く違い、よく分かりませんでした。特に冬の光熱費がミャンマーよりも高く、とてもびっくりしました。こんな風に生活でわからないことも佐伯さんや他の職員さんに相談しています。

▽日本で体験したハプニングは?
テーさん and アウンさん:初めて事業所に自転車で行く時、2人で道に迷ってなかなかたどり着くことができませんでした。前日に佐伯さんに車で道案内をしてもらっていましたが、自分たちだけで自転車で行くのはとても難しかったです。とても長い間行ったり来たりして迷い、とても不安でした。アウンさんが家から持ってきていたワイファイがあったので、佐伯さんに連絡して、無事に事業所に着くことができ、とても安心しました。

▽これからの夢はなんですか?
テーさん:実習期間が終わって、自分の国に帰ったら、私のように日本で働きたいミャンマーの若者をサポートする、日本とミャンマーをつなぐ架け橋のような仕事をしたいです。私の妹も日本語を勉強しているし、弟も日本で学びたいと言っています。そんなミャンマーの若者を助ける仕事をしたいです。
アウンさん:将来は通訳の仕事をしたいです。そのために、日本語能力試験※のN1まで絶対に合格したいです。また、日本語だけでなく、日本の文化や方言などもたくさん学んで日本のことをもっともっと知りたいです。
※日本語能力試験…日本語を母語としない人の日本語能力を認定する語学検定試験。N1からN5までのレベルがあり、N1が最も難しいレベル。

近い将来、遠賀町がインタビューに応じてくれた3人のように、国籍関係なく、人と人としてお互いを受け入れ、認め合う、そんな関係であふれる町になるといいですね。

■国際交流の輪を広げよう
▽遠賀町国際交流クラブ
国籍を問わず、誰もが受け入れられる遠賀町を目指して活動しており、日本語教室の運営や異文化理解・多文化共生に関する講座の企画などを行っています。
皆さんも一緒に活動しませんか?見学も随時受け付けています。
詳しくは遠賀町ホームページで確認してください。
対象:町内在住・在勤の人
費用:無料

▽日本語ボランティア研修会
外国人がどのように日本語を学習しているのかを学んでみませんか?
参加者全員で、日本語能力試験の問題にも挑戦します。
日時:10/7(土)10:00~12:00
場所:遠賀中央公民館
対象:町内在住・在勤の人
定員:20人(先着順・要予約)
費用:無料
申込期限:10/5(木)

▽タイ料理教室
タイ国籍の外国人住民が講師となり、調理実習や試食を通して、町民と外国人住民の交流を図ります。
日時:12/10(日)10:00~13:00
場所:遠賀中央公民館
対象:町内在住・在勤の人
定員:20人(先着順・要予約)
費用:500円/1人(予定)
申込期間:10/25(水)~11/30(木)

申し込み・問い合わせ:協働人権係
【電話】093-293-1242

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