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医療あれこれ

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福岡県飯塚市

〔テーマ〕バイオ医薬品とバイオシミラー
飯塚市立病院 薬剤室 薬剤師
吉留(よしとめ) 弘子(ひろこ)

『バイオ医薬品』とは、バイオテクノロジー(遺伝子組み換え技術や細胞培養技術)を使って製造したタンパク質を有効成分とする医薬品です。従来治療が十分でなかったがんや自己免疫疾患(関節リウマチや乾癬など)の治療薬を作ることができるようになりました。バイオ医薬品の多くは病院で行う注射剤ですが、最近では自身で注射できる薬剤も増えています。メリットとして、通院回数が減ることで日常生活への影響を減らすことができます。
先行バイオ医薬品の特許期間終了後に販売される医薬品を『バイオシミラー』と呼びます。バイオ医薬品を表す「バイオ」に、「似ている」という意味の「シミラー」を合わせた言葉です。従来のジェネリック医薬品と特許期間終了後に発売される点は同じですが、バイオシミラーの場合は医薬品の構造が複雑でバイオテクノロジーによって作られるため、全く同じものを複製することができません。そこで、ジェネリック医薬品よりも多くの試験を行い、先行バイオ医薬品と品質や有効性・安全性に差異がないことを確認したうえで発売しています。バイオシミラーは、先行バイオ医薬品の約7割の薬価であり、同等の効果を期待できる医薬品です。経済的な負担軽減になるため、治療を躊躇される方にもバイオシミラーという選択肢が加わることにより治療の幅が広がります。
なお、従来の医薬品と比べると、バイオシミラーを含むバイオ医薬品の開発・製造には大規模な設備と高価な原材料が必要となります。その結果、バイオ医薬品の薬価は従来の医薬品よりも高く設定されています。そのため、医療費の自己負担が大きくならないように高額療養費制度という補助制度もあります。
バイオ医薬品は、現代医療には不可欠な医薬品となっています。今後さらにバイオ医薬品の開発が進み、今まで治療困難だった病気の希望になることを期待しています。

※飯塚市立病院よりお願い
初診の方は、かかりつけ医より紹介状を持参していただくようお願いします。

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