〔テーマ〕人は作業をすることで元気になれる
飯塚市立病院 リハビリテーション室
作業療法士 佐藤(さとう) 未央(みお)
『人は作業をすることで元気になれる』これは、私が所属している日本作業療法士協会が提唱している言葉です。
私が学んだ作業療法学では、『生活を構成しているものはすべて作業である』また、作業活動と生活を結び付けて『人の日々の生活、そしてその連続である人生は、作業活動によって成り立っている』として、作業活動と生活とのかかわりの深さを提案しています。生活と作業との関係には、大きく分けて「日常生活活動」「仕事・生産的活動」「遊び・余暇活動」があります。日常生活活動とは、排泄や食事、入浴や更衣、歯磨きや洗顔などの整容動作のことです。仕事・生産的活動とは、家事や何らかの収入を得る行動、学生であれば学業などです。遊び・余暇活動とは、自由な時間における趣味や娯楽、地域活動などへの参加活動を言います。
私たちは、排泄や食事など身の回りのこと(作業)が不自由なくできる以外に、趣味や楽しみな活動、また友人や地域の方々との交流を通して、その人にとって意味のある作業を行うことによって、満足感や充実感を得られるとされています。そして、満足、充実した生活習慣を取得することにより元気に生活ができると言われています。このように趣味を通して、人との交流が広がり、適度な運動、また五感が豊かになることで、日々の生活に癒しを感じることも心身の健康に繋がると思います。なお、特に趣味や好きなことがないと言われる方でも、何気なく行っている作業があなたの心身の健康を維持し、満足感や充実感に繋がっているかもしれません。
昨今、病気や心身の障がいがあっても、日常生活動作や家事動作、仕事、余暇活動など、その人にとって意味のある作業に着目し、リハビリ介入や地域での支援が推進されています。病気やケガなどで、今までのように作業ができなくなったとしても、環境やその作業を行う手段を調整しながら、日常生活動作や家事、社会参加に関する作業を実行している方ほど充実(満足感の高い)した生活を過ごされているようです。
以上より私たちは、『人は作業をすることで元気になれる!』と提唱しています。
※飯塚市立病院よりお願い
・初診の方は、かかりつけ医より紹介状を持参していただくようお願いします。
・マイナンバーカードの保険証利用には、さまざまなメリットがありますので、是非一度ご利用下さい。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>