3年間、地域おこし協力隊として活動した二人が、3月31日に卒業しました。このページでは、二人の香春町での軌跡を振り返っていきます。
二人は香春町で、何を感じ、何を思い、どのように活動をしたのか。
今後、どのような活動をしていくのか。
感謝の気持ちと共に語ってくれました。
■地域おこし協力隊 市岡実幸(いちおかみゆき)
香春町に来てもうじき3年、あっという間の毎日でした。いずれ地方でハーブなどを育てながら手作り暮らしをしたいと漠然と思っていたのが、気づけばその通りになっていること、香春町での暮らしを離れがたく感じるようになっていたことを感慨深く思います。
私たちのミッションは、「香春町に新しい人の流れをつくる」ための魅力発信や、移住・交流の拠点(採銅所駅舎内第二待合室)の運営とともに、こうした活動を「継続していくための仕組みづくり(法人化)」にありました。そのために、香春町のコミュニティを紹介する小冊子「ハダシノステージ」の発行や定例イベントの実施、レンタサイクルなどに取り組みました。「ハダシノステージ」では、私はデザインを担当していたため、ロゴづくりから始まって手にとってもらいやすい形を考えて四苦八苦した分、形になった時の嬉しさはひとしおでした。取材をするたびに香春町の新しい側面を知り、少しずつ理解が深まっていくのがとても楽しかったです。
また、香春町に来て一番感銘を受けたのが、季節の手仕事が当たり前のようにされていること。以前は「丁寧な暮らし」として憧れのように思っていたことが、ごく当たり前の家事の一部であることが衝撃的で、だからこそ季節の手仕事イベントとして開催し、遠方からも多くの方に参加していただいてとても手応えを感じることができました。
三年目は、香春町の新たな魅力発信とナリワイづくりのためにハーブ栽培に力を入れ、一年を通して「春香る町ハーブボール」づくりの材料集めに駆け回りました。ハーブボールは、肌に当ててマッサージなどで使うものなので、料理と同じく地場産の材料が良く、またヨモギなどの野草も使うため里山の資源を活かすことができます。地域の特色が出しやすいハーブボールで香春町版のものを作ろうと取り組み、先月ようやく完成しました。製作のための畑や手仕事を楽しむ中で、自分にあった形ができてきて、その過程で多くの方に教わり、また助けていただきました。こうしてご縁をたどるようにして活動してこられたのは皆さんのおかげであり、顔の見える町・香春町ならではの豊かさだと感じています。
本当に三年間沢山お世話になりましてありがとうございました。
今後は香春町を離れて活動することとなりますが、「春香る町ハーブボール」の販売は材料が続く間続けていきます。香春町は拠点の一つとして大切にしていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
■福羽弘之(ふくばひろゆき)
2024年3月末日をもちまして「移住と交流の場づくり担当」としての任期を満了しました。長いようで短かった3年間、たくさんのご縁と、そしてチャレンジするチャンスをいただいた充実の3年間でした。関わっていただいた全ての方々に感謝致します。
元々、ご縁があり訪れる機会の多かった香春町。実際に香春に移住し、協力隊活動や私生活を通して感じた暮らしは心地よく、地域の方々がとても親切にしてくれて、毎日を楽しく過ごすことが出来ました。消防団の活動や、祭事、地域行事への参加など、都会に住んでいるとなかなか経験することの出来ない貴重な体験が日常に溢れていて、その輪の中で生きるという事が僕の人生にとって非常に貴重な経験となりました。
また、地域おこし協力隊の活動を通じて、様々なことにチャレンジし、自分自身大きく成長できた3年間でありました。「多くの人に香春町の魅力を知ってもらいたい」ということを念頭に置き活動してきましたが、僕が本気で移住を考えていた時期の事を振り返ってみると、香春町に住んでみたいけど「移住」ってなると楽しみである反面、ハードルが高く大きな不安があった事を今でも覚えています。その不安が移住に踏み出せない障害であり、協力隊の活動を通して移住のハードルをいかに下げられるか?という事を考えるようになりました。実際に移住をした立場から、移住に関する経験やノウハウを生かし、移住相談やサポートなど、自分達にしか出来ない事があると思っています。
そんな経験から今後は、移住・空家相談などを主とした活動をする法人を立ち上げ、活動の幅を広げるとともに、移住者の立場から、移住者を受け入れる立場へと新たなチャレンジをしていきます。また、自分自身も香春町ファンとして、これまで以上に香春暮らしを楽しみたいと思っておりますので、香春町の皆さま今後とも温かく見守ってください。
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