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市民の健康教室

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福島県いわき市

■原発性局所多汗症
発汗は主に体温調節の役目を担い、生命活動に重要な現象の1つです。発汗の誘因には、温熱によるもの・精神的なもの・味覚刺激があります。また、続発性といって他の疾患などの合併症状として多量の発汗を認める場合があります。続発性の原因疾患には、薬剤性・薬物乱用・循環器疾患・悪性腫瘍・感染症・内分泌代謝疾患などが挙げられます。
対して、前述のような明らかな疾患も合併せず、局所的に発汗を著明に生じる場合を、原発性局所多汗症と呼びます。具体的には、頭部顔面多汗症・腋窩多汗症(わき)・掌蹠多汗症(手のひらと足底)となります。人によっては、腋窩だけであったり、複数の箇所の多汗症を伴う場合もあります。
原発性局所多汗症の部位によって、それぞれ固有の悩みがあります。例えば、手掌多汗症では握手ができないとか、本やノートが濡れたりするほどになる、人と共有するものに触れづらいなど様々なことに制限が出ます。部位にかかわらず共通する悩みは日常生活に支障を来すようになることです。
原発性多汗症の治療には、塩化アルミニウム製剤外用・抗コリン薬の外用や内服・ボツリヌス毒性製剤・交感神経遮断術などがありますが、発汗の部位により治療内容に違いが出たり、保険適用と適用外に分かれる場合があります。
多汗症では、日常生活に重度の支障が出るとうつ傾向におよぶこともありますので、悩みを抱え込まずに医療機関へ相談してください。

■けんこうQandA 循環器科(7)
「心不全」を理解し、防ぎ、守り、共に生きるために知っておくべきこと
Q:症候性の心不全として治療が開始されました。普段の生活で注意すべきことを教えてください。
A:心不全の悪化の要因としては、まずは治療薬の怠薬、水分や塩分の過剰摂取が挙げられます。その他、感染症(特に肺炎や敗血症)、重症な脳障害、手術、腎機能の悪化、貧血の進行、喘息(ぜんそく)発作、薬物濫用(消炎鎮痛剤など)、アルコール多飲、過労、不眠、情動的・身体的ストレスなどが挙げられています。持病の悪化のないようにしっかりと管理を継続すること、必要なワクチンは必ず接種すること、痛み止めや熱冷ましのお薬、一部の漢方薬などは、症状が緩和されたら速やかに中止する方が良いでしょう。
また、これらによる悪化の前に、通常体重の増加(体液貯留)を認めることが判っていますので、日々決められた時間に体重を測定し、短期間で1kg以上の体重増加がないことを確認しておく作業は、病態悪化の早期発見の観点からは有用でしょう。
適切なプログラムに基づく運動療法が、心不全の悪化に予防的に働くことが判っています。病態の安定している方では、主治医の指導の下、適切な運動を継続することが重要です。

■形成外科医療録(7)
ー上肢と形成外科ー
上肢は運動器官の集合なので、その疾患の多くは整形外科の分野となります。形成外科医が扱う疾患は手指の疾患がほとんどです。
先天性疾患には、多指症・合指症や絞扼輪(こうやくりん)症候群などがあります。多指症は指が多い状態、合指症は隣り合った指同士がくっついている状態です。絞扼輪症候群は、指や腕に細い糸でしばったような皮膚のくびれが見られる疾患です。くびれの深さや部位により重症度が違ってきます。
腫瘍では、ガングリオンや巨細胞腫といったものが臨床上多く見られます。ガングリオンは手指や指の関節付近にできる比較的固いドーム状のできもので、関節液と関節包の変化が原因です。
外傷では、皮膚の開放創、熱傷・凍傷、切断指の再接着や指の屈筋腱損傷などを受け持ちます。切断指の再接着は手術用顕微鏡を有する施設で可能です。
爪の疾患では、外傷や感染症が一般的ですが、爪の下やその周辺にできる病変の種類は多く、爪の変形や痛みを伴うことも多いので、早期の受診を勧めます。

◎かかりつけ医の紹介・相談は、医師会事務局へ
ホームページURL【HP】https://www.iwaki.or.jp

提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
【電話】38-4201

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