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市民の健康教室

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福島県いわき市

■帯状疱疹(ほうしん)
帯状疱疹(ほうしん)はチクチクした痛みに続き、体の片側に小さな水ぶくれがある赤い発疹が帯状に現れる病気です。
原因は帯状疱疹ヘルペスウイルスという水ぼうそうのウイルスです。子供の頃にかかる水ぼうそうのウイルスは、治った後も脊髄から出ている神経の根元に潜むようになります。加齢やストレス、過労などで免疫が下がると、潜んでいたウイルスが増えて発症するのが帯状疱疹です。神経をつたってウイルスが増えるので、神経の分布に沿った帯状の発疹ができるのです。
免疫が低下する高齢者、糖尿病やがんがある人、免疫を下げる薬を使っている人に発症しやすいです。
症状は主に痛みですが、顔の場合は目や耳の神経に炎症を起こし、角膜炎や結膜炎、難聴や耳鳴り、顔面神経まひなどを起こすことがあります。
治療は抗ウイルス剤や鎮痛剤を使用します。ほとんどは合併症なく治りますが、一部で痛みが長期間残ってしまうことがあります。治療を早く始めるほど合併症が少なくなると言われています。
発症予防には、50歳以上であればワクチンが使えます。2種類のワクチンがありますが、最近できたワクチンは90%以上の予防効果があり、免疫抑制剤や抗リウマチ薬、抗がん剤などを使っていても使用できます。コロナ禍以降、帯状疱疹が増えていることもあり、接種する人は増えています。

■形成外科医療録(3)
ーまぶたと形成外科ー
標榜(ひょうぼう)診療科の中では新しい形成外科でも、他科と同様に細分化される傾向となっています。近年、「まぶた」つまり眼瞼(がんけん)を中心とする分野は専門性が進んで、「眼形成外科」や「眼窩(がんか)外科」といった呼称で専門外来を設置する医療機関があります。この分野は主に形成外科と眼科の境界領域となります。眼球以外の解剖構造を外眼部といい、眼瞼・結膜・眼窩・涙道が含まれます。文字通り、眼球そのものの外側で、眼球を保護するうえでの大事な組織で微細な構造となっています。
眼瞼の疾患では、眼瞼下垂症や睫毛(まつげ)内反症などが代表的です。涙道の疾患は外傷や腫瘍などがあり、再建が重要となります。前回紹介した眼窩(眼窩底)骨折や鼻骨骨折などはスポーツ選手で起きやすく、複視などの合併症が残ると選手活動にも影響します。甲状腺疾患による眼症状(眼球突出など)もこの分野の治療対象です。また、眼球摘出後の義眼を装着するための義眼床を形成することも、形成外科医の仕事の範囲に入ります。

■けんこうQandA循環器科(3)
ー「心不全」を理解し、防ぎ、守り、共に生きるために知っておくべきことー
Q:高血圧症を指摘され、投薬が始まりました。心不全にならないようにするために気を付けることを教えてください。
A:高血圧は心不全に至る原因として、とても重要な病気の一つです。あなたのように高血圧症と診断され、適切な管理を受けている患者さんの比率がどの程度かご存じですか?日本では概ね高血圧症の半数は自分が高血圧症だと自覚しておらず、高血圧症と診断された人の半数しか医師に相談しておらず、残念なことに医師に相談した高血圧症の半数しか治療目標を達成できていないと推定されています。自身の血圧がどのような状態にあるのかをチェックする習慣を身に着けると良いでしょう(家庭血圧測定法)。市販されている上腕式(二の腕で測るタイプ)の血圧計を購入し、朝起きて2時間以内に、1~2分椅子に腰かけ安静にして2回連続で測定します。トイレを我慢したり、足を組んだり、お話をしながら測定してはいけません。夜も同様に決まった時間に2回連続測定します。この1日4回の測定値を記録し、ご自身の血圧がどの程度であるかを、医師に報告できるようにしておきましょう。

◎かかりつけ医の紹介・相談は、医師会事務局へ(【HP】https://www.iwaki.or.jp)

提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
【電話】38-4201

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