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市民の健康教室

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福島県いわき市

■アイフレイル
「加齢に伴い身体の様々な機能が低下することによって、健康障害に陥りやすい状態」をフレイルといい、近年よく耳にするようになりました。この身体と一緒に頑張ってきた目の機能低下は『アイフレイル』と言われるようになりました。
加齢とともに眼球にも構造的・機能的に衰えが出てきます。この衰えに生活習慣・喫煙・紫外線などの外的要因と、強い近視・糖尿病や高血圧症などの内科的疾患・遺伝素因などの内的要因がストレスとして加わると見えにくさが症状として出てきます。
軽度の白内障・老眼・ドライアイなどは、進行を遅らせることや症状を緩和させることが期待できますが、緑内障・重度の白内障・網膜剝離・加齢黄斑変性症・糖尿病網膜症などは放置すると重大な視力低下を招きます。この視力低下は、日常生活の行動を制限し、認知症や寝たきりなどを招き健康寿命をも短くしかねません。
眼科の外来では、健康診断や自動車運転免許更新時の視力検査をきっかけに重度の目の病気が見つかる方や、飛蚊症(ひぶん)やかすみ目の症状から糖尿病などの内科的な病気までも見つかる方が増えています。「ただの疲れ目だろう」「年齢的に白内障だろう」などの自己判断は禁物です。今までと違う目の症状を感じたら目の病気の早期発見に努め、アイフレイルを予防しましょう。

■形成外科医療録(4)
ー口唇と形成外科ー
形成外科といえば、まず口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)・口唇裂・口蓋裂が治療対象となることはご存知でしょう。現在は出生前の超音波で診断できることもありますし、出生後の診断であっても形成外科にコンサルトされ、以後の治療計画が立てられます。この分野は形成外科医だけではなく、まさにチーム医療として治療が行われます。血管腫や動静脈奇形も口唇周囲に出現しやすく早期の治療対象となります。他にも口唇の先天性疾患はありますが、幼小児では口唇の外傷が日常的です。転倒や裂傷・切傷などです。また、電源コードを誤って口に含んで、火傷を起こすことがあります。口唇だけではなく、最悪命に関わることもあるので注意してください。
成人でも口唇には外傷が多く、幼小児も気をつけたいのが犬咬傷です。臨床上よく見受けられる腫瘍は粘膜のう腫と静脈湖です。前者はドーム状で隆起した白色がかった腫瘍で、後者は暗紫色のやや隆起した腫瘍です。両者とも良性です。

■けんこうQandA 循環器科(4)
ー「心不全」を理解し、防ぎ、守り、共に生きるために知っておくべきことー
Q:心房細動が心配です。発見するために注意すべき点を教えてください。
A:心房細動の代表的な症状は、動悸、息切れ、めまいです。しかし、高齢者では、症状が非定型的なことが多く、3~5割は無症状だと言われています。このような無症状の心房細動患者と、原因不明の脳梗塞は重複する部分が大きいと考えられており、現在、無症候性心房細動患者の抽出に何が有効かは、学術的興味の対象にもなっています。残念ながら年1回の検診は良好な検出環境とは言い難く、24時間心電計などは発作性心房細動の診断に有効なものの、費用対効果および脳卒中低リスク群の同定という点では限界があります。近年腕時計型のウエラブル・デバイスによる患者参加型心電図記録が有効な方法として注目を浴びており、今後医療現場での活用が増加する可能性がありますが、現時点では、自己脈測定を行い、乱れが確認された場合は心電図検査を行う、という流れが最も有効と言えます。よって心房細動スクリーニングは、プライマリ・ケアの現場やその地域のヘルスケアシステムが中心となって行われるべきと考えられています。

◎かかりつけ医の紹介・相談は、医師会事務局へ(ホームページURL【HP】https://www.iwaki.or.jp)

提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
【電話】38-4201

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