文字サイズ
自治体の皆さまへ

市民の健康教室

25/29

福島県いわき市

■糖尿病や高血圧の方の透析導入が増えています。
生活習慣を見直してください。

科学の力は偉大であり無限の可能性を秘めています。高度な医療の普及のおかげで平均寿命がどんどん伸びてきました。しかし、それに伴って医療費が増加しています。少子化が、生産人口当たりの医療費をさらに急峻に増大させています。
腎不全の治療である血液透析も増加しています。
腎不全とは、腎臓の機能が生命を維持させるには不十分であることを意味します。腎臓の機能は、体液のバランスをとることです。血液中の老廃物を尿として排泄し、有用な成分を再吸収します。塩分や水分、糖の出し入れを調節しています。
血液透析は腎臓機能の破綻した患者さんには福音です。透析療法の進歩のおかげで透析患者さんも長期間安定した生活が送れるようになりました。
かつては透析に至る患者さんの大半は腎炎でしたが、最近では、腎炎以外の患者さんの割合が増加しています。運動不足やカロリーの過剰摂取による糖尿病、塩分過剰摂取による高血圧、心不全などがその代表です。人口の高齢化もその要因の一つです。
職場健診や住民健診により、高血糖や高血圧などが発見されれば、精密検査を経て内服薬を含めた生活指導がなされます。しかし、定期通院、定期内服だけをしていれば安心かというとそうでもありません。適度な運動、禁煙、塩分制限に留意し、肥満、過剰な水分摂取などにならないよう日頃から気をつけることが大切です。
血液透析は長期にわたり、日常生活も制限されます。血管も脆くなっており透析のための血管確保も困難になってきます。
透析にならないためには、生活習慣に気を配って健康を維持させてください。

■けんこうQandA 循環器科(6)
ー「心不全」を理解し、防ぎ、守り、共に生きるために知っておくべきことー

Q:大動脈弁狭窄があると言われました。何の症状もなく、元気に運動もしていますが、治療は必要でしょうか?
A:大動脈弁狭窄症は高齢化社会において大変増加している疾患で、いわゆる老年病(退行性変性)の一つとして有名です。75歳以上の一般の方で大動脈弁狭窄を持っている人の割合は12.4%、うち手術が必要な重症例は3.4%と言われています。
診断のきっかけは聴診で心雑音を確認することです。かなり進行するまでは無症状の場合が多く、残念ながら症状(めまい、失神、胸痛、息切れなど)が出始めた頃には、既に重症化していることがほとんどです。しかし、手術により、合併症も少なく、安全に治療できる時代になっています。まずはきちんと受診をして、適切な間隔で検査と評価を受けることをお勧めします。

■形成外科医療録(6)
ー胸部と形成外科ー

胸部の形成外科疾患は、まず乳房の疾患が挙げられます。代表的なものが、乳がん手術後の乳房再建です。再建には、人工物による再建と自家組織による再建があるのはご存知でしょう。
他に乳腺関連では、副乳という疾患があります。脇から乳輪を通って、そけいに至る線上(ミルクライン)に乳腺組織が残り、黒子(ほくろ)やしみのように見える小さなものから、明らかに乳輪・乳房と分かるものまであります。副乳は男女ともに発生しますが、女性では生理に関連して痛みを伴うこともあります。乳頭が隠れてしまう陥没乳頭では、そのままでは授乳の際に母子ともに影響が出るので手術が必要となります。
胸の形の変形には、胸部が陥凹(かんおう)する漏斗胸と突出する鳩胸があります。漏斗胸治療が可能な医療機関は限定されています。
腋臭症(わきが)の外科的治療を行うのも形成外科です。脇や殿部に多発症する化膿性感染炎(慢性膿皮症)の患者さんも少なくありません。

◎かかりつけ医の紹介・相談は、医師会事務局へ(ホームページURL【HP】https://www.iwaki.or.jp)

提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
【電話】38-4201

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU