本年1月1日に発生した能登半島地震。最大震度7の大きな揺れによる家屋等の倒壊、津波や大規模火災などの複合的災害により、甚大な被害をもたらし、今もなお多くの被災者が避難生活を強いられています。
本市も東日本大震災や台風被害など、これまでさまざまな災害に見舞われてきました。そのたびに、多くの方々の温かい支援によって、復旧・復興への歩みを力強く進めてくることができました。
同じ痛みと悲しみを知っているからこそ、そして何よりもこれまでの支援に対するお返しをするためにも、少しでも力になりたい。
本特集では、こうした思いと使命感を持って現地で災害支援にあたった職員の声を紹介します。
今後も、いつ・どこで発生するか分からない自然災害。そのたびに地域や自治体という垣根を超え、全力で支援にあたっている方々がいます。こうした支援の輪を今後もつないでいきます。
■人的・建物被害の状況
[人的被害]
死者:374人
行方不明者:3人
負傷者:1,212人
[住家被害]
全壊:6,046棟
半壊:18,006棟
一部破損:61,531棟
石川県被害等の状況について(第160報)
[2024年9月17日14時00分現在]より
■主な災害支援内容
派遣職員数:延べ80人以上
従事業務:応急給水活動、災害医療活動、被災者の健康管理、り災調査
その他:トイレカー派遣、物的支援、市民の皆さんからの義援金
■消防本部小名浜消防署
新妻拓弥さん
私自身も19歳の時、東日本大震災による津波で被災し、多くの方に支えられた経験があります。地震災害の悲惨さ、過酷さを知っていたからこそ、少しでも現地で困っている方の力になりたいと考え、ボランティアとして毎月支援活動を行っています。
向かった輪島市や珠洲市では重機を使用した道路啓開活動や瓦礫・倒木の撤去、被災者の生活再建のための貴重品等取り出し作業を行いました。災害支援に行く度に、被災した方々の表情がどんどん明るくなっていくのを感じています。
今後は、現地の方が楽しめるイベントなども実施し、被災された方々の笑顔の手助けとなれればと考えています。
■平地区保健福祉センター
林綾さん
東日本大震災や令和元年東日本台風の際には、多くの支援を頂いたこともあり、今回は恩返しができればという一心で現地へ向かいました。
私は健康支援チームの一員として、小松市にある二次避難所で健康調査などを行いました。避難者の方は、長期化する避難生活の影響からか血圧上昇など健康状態の悪化がみられました。しかし、普段の血圧値が不明の方もおり、日頃の健康状態の把握も災害時の備えとして重要と感じました。
また、避難者同士の声掛けや助け合いもみられ、日頃からのコミュニティー形成の重要性を改めて感じました。
■医療センター看護部
坂本織絵さん
発災後速やかに、院内でDMATチームを編成し、輪島市へ向かいました。
インフラが停滞する中、輪島市立病院から市外または県外へ、被災した患者さんをヘリで転院搬送するため、近くのヘリポートまで救急車で搬送を行った際は、状態変化に細心の注意を払い、看護業務を行いました。
現地では「東日本大震災を経験し復興を成し遂げた方が支援に来られたことは大変心強い」という温かい言葉を多く頂きました。災害の現場では『自分たちがしたい事』を行うよりも『相手が何を必要としているか』という事を大切にし、今後も被災者支援に関わっていきたいと思います。
■水道局工務課
青木智也さん
駆けつけ七尾市は、被災から一月が経過していたこともあり、水が使えるエリアもありました。しかし、飲用水としての使用には未だ基準を満たしていないため、飲用水を求める方を対象に給水活動を行いました。
また、珠洲市では、道路に埋まっている水道管の漏水を修理する作業を行いました。
漏水している水道管が多いため、断水エリアの復旧作業がなかなか思うように進まず、もどかしい思いもありましたが「遠くから来てくれてありがとう」という現地の方の感謝の言葉が励みになりました。
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