◎60期生 RINKA 福島県出身
学院でのカリキュラムには慣れてきましたが、うまく踊れず悔しくて涙が出てしまう日もあります。そんな時は同期と励まし合いながら一つ一つクリアしていきます。
フラガールは、何の取り柄もない私に夢を与えてくれた存在です。どんなに苦しい時でも笑顔を絶やさず、60年の伝統をつないでいけるフラガールになりたいです。
◎常磐興産株式会社 営業企画グループ 小室美咲さん
第18代スパリゾートハワイアンズ ダンシングチーム キャプテン
私は、昨年9月にダンサーを引退し、現在は、常磐興産(株)の広報担当として充実した日々を送っています。
フラは、思いや感情を「言葉」ではなく「身体」で表現するので、観客の皆さんとダンサーとの心のつながりができる素晴らしい踊りです。また、先輩方から受け継いだ伝統と技術を次世代につなぎながら人として、フラガールとして成長し、一人一人の個性となって「踊り」に表現されています。
■絆
◇全国に笑顔を。
2011年、東日本大震災によってスパリゾートハワイアンズは休館を余儀なくされ、フラガールたちは踊る場を失いました。
自らも被災し、日本中が大きな悲しみに包まれる中、彼女たちは「涙」ではなく「笑顔」を選び、前に進み出しました。
原発事故の風評被害にあえぐ故郷いわき市、福島県を復興させるため、自分たちの元気な姿を見せるため「フラガール全国きずなキャラバン」をスタート。避難所やイベント会場など全国26都府県と韓国・ソウルを含む125カ所で247回の公演を行い、多くの人々に笑顔と勇気を届けました。
さらに、2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨の際には、東日本大震災の支援への感謝、そして、何よりも被災された方へ元気と希望を届けるため、きずなキャラバンを展開してきました。
炭鉱の危機や東日本大震災の危機を乗り越え、受け継がれてきたフラガールたちの不屈の精神。その姿に多くの方が笑顔を取り戻し、前に進む力に変えていったことでしょう。
フラガールたちが苦難のたびに紡いできた、たくさんの「絆」。これは、炭鉱時代から脈々と受け継がれてきた「一山一家」という強い団結力を表す証なのかもしれません。
そして本年、新たな活動「フラガールきずなスクール2024」が動き出しています。
県内全59市町村の各小学校1校を訪問し、東日本大震災を体験していない世代の子どもたちに向けて「生き抜く力」をテーマに、未来に向けてたくましく生きる姿勢を伝えています。
フラガール自身の東日本大震災やコロナ禍の体験をもとに、諦めない気持ちと仲間の大切さなどを伝えることで、未来を担う子どもたちに希望と力を届けています。
◇スパリゾートハワイアンズ ダンシングチーム キャプテン
フラガールたちの精神的な支柱ともいえる存在。60年という長い歴史の中でキャプテンを務めたのはたったの19人。
ダンスの実力はもちろん、ダンシングチームをまとめるリーダーシップや指導力など、さまざまな器量が求められます。
第19代キャプテン マーラエ穂里(みのり)さん
自分たちが生まれる前から続くフラガールの歴史は本当にすごいと思いますし、その1ページに微力ではありますが、携われていることをとても光栄に思います。
創立当時から現在も指導し、師としているカレイナニ早川先生のお言葉は力強く、芯があり、伝統を守り続けてきた説得力があります。フラガールたちには、この先もずっと大切に守り続けていってほしいと願っています。
フラの魅力は、手の振り付けのハンドモーションで曲の歌詞の意味、感情を伝え、そこに自分の表情や表現でより豊かなものにできるところです。踊りにゴールはなく、追求していけばいくほどおもしろい魅力があります。
キャプテンになり、より多くのメンバーと深く関わることができたと思っています。責任が重圧と感じることはなく、背中を押してくれていると考えるようにしています。
フラガールは、私に夢と希望を与えてくれた存在です。その憧れていた先輩方がたくさんの方と紡いできた絆。私も皆さんに笑顔や元気をお届けできる希望の存在になれていればうれしいです。また、ショーを観た子どもたちに夢を与え、未来のフラガールたちとの懸け橋にもなりたいです。
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