■虹~笑顔と愛を~
◇笑顔は、生きる力になる。
これは、観客だけでなく、舞台に立つフラガールたちにとっても同じことです。
新型コロナウイルスの影響によって長い期間、人や物の動きは制限され、スパリゾートハワイアンズも休館を余儀なくされました。東日本大震災に続き、またもや踊る場を失ったフラガールたち。それでも、彼女たちは毎日、無観客の舞台に立ち続け、踊りの技術を磨き続けました。先が見えなくても観客の前で踊れる日が来ることを信じ、そして願い、最高の笑顔とエンターテインメントを届けるために。
フラは、まだ文字を持たなかった時代からハワイに伝わる民族舞踊。手話と同じように、振り付けの手の動き一つ一つにそれぞれ意味があり、愛や喜び、感謝などの感情を表現します。まさに、相手があっての踊りといえます。
改めて痛感した、観客の前で踊れることの幸せ。観客の笑顔がフラガール自身、そしてダンシングチームとしての成長につながります。コロナ禍を経たいま、彼女たちが魅せるショーは、笑顔の大切さとかけがえのなさをより一層表現しているのではないでしょうか。
◇故郷への愛。
どんな苦難が襲っても、フラガールにしかできないこと。フラガールだからこそすべきことをチーム一丸となって考え、踊りをとおして表現してきました。そんなフラガールたちの踊りは「愛」そのものです。
常磐炭鉱の危機を救ったフラガール。東日本大震災における復興の象徴となったフラガール。コロナ禍でも笑顔を届けるため舞台に立ち続けたフラガール。その挑戦には、いつだって故郷を守るための「愛」がありました。
黒いダイヤと呼ばれ、隆盛を誇った石炭産業。あれから60年、当時、生きるためだった踊りは、さまざまな人との笑顔と絆、そして愛を紡ぐ「虹」となり、ダイヤに負けない希望の輝きで今日も地域を照らし続けています。
歴史を受け継ぎ、地域文化を築き上げた「フラガール」という物語。
新たなページがこれからも、いわきのアイデンティティーとして綴られていきます。
■フラシティいわき
本市の魅力をより多くの方々へ知っていただく取り組み、それがシティプロモーションです。
その中心に置いているのが「フラ」であり、他の地域にはない本市だけが持つ強力な地域資源です。これを、本市のブランドとしてより一層磨き上げ、地域が一体となって育て、拡げていく。
まさに、長きに渡りフラガールたちが紡ぎ、伝え続けてきた誇るべき地域資源です。
本市にとって、フラは広い世代に愛され、交流、芸術、健康、食など、多岐に渡り「文化」として根付いています。
歴史が文化を形成し、文化が歴史を照らし、相互に影響し合いながら、未来を築きます。
歴史と文化から生まれた「フラシティ」というまちづくりのコンセプト。たくさんの方に愛される地域をともに創り上げていきましょう。
◇踊るこころ
今年で12回目を迎えた「フラガールズ甲子園」。高校生たちが気持ちを一つにして自分たちの踊りを作り上げる。その達成感と心の豊かさが成長につながります。上手下手でなく、フラに大切なのは「踊るこころ」。その心を通じ合わせることが「文化」となります。いわきの宝物とも言える「フラ文化」を皆さんとともに磨き上げ、世界へ発信し、地域の活性化につなげるための応援活動にも取り組んでまいります。
◇ハワイとの絆
1992年にハワイ州を直撃したハリケーン・イニキ被害への支援活動をきっかけに「カウアイ日本文化祭」へ参加するなど、カウアイ郡との交流を進めてきました。2011年の東日本大震災時には、支援のお返しをしていただき、さらに絆が深まり、2016年に国際姉妹都市締結が実現しました。
私たちの夢は、若い世代の人たちに、踊りや音楽などの文化を通して盛んな交流が生まれることです。今後も、ハワイとの交流を未来へつなげていきます。
◇ハワイを身近に
カウアイ郡といわきとの神秘的なつながりを知り、ハワイやフラを生かしたまちづくりに貢献したいと考え「カウアイカフェ」をオープンしました。ハワイという非日常的な空間で素敵な時間を過ごしてもらうため、食事はもちろん、インテリアや食器などにもこだわっています。毎月、店内でディナータイムに開催しているフラダンスショーも好評です。たくさんの方に身近なハワイとして「喜び」を提供し、フラ文化を拡げていきたいです。
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