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市民の健康教室

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福島県いわき市

■腰痛[2]~機械的腰痛~
機械的腰痛には、(1)骨折などの外傷やぎっくり腰(急性腰痛)、(2)筋筋膜性腰痛症、(3)腰椎椎間板症、(4)腰椎分離症、(5)変形性腰椎症、(6)腰椎椎間板ヘルニア、(7)腰部脊柱管狭症などがあります。
筋筋膜性腰痛症は、急性期では炎症性細胞が筋膜下に多く見られ、慢性期は線維組織が多く認められます。腰椎椎間板症の発症メカニズムは特定されていませんが、椎間板の変性変形に伴う椎間板内圧の変化が、痛みの原因の1つと考えられています。腰椎分離症は、従来先天的なものとされてきましたが、若年期の過度なスポーツなどにより、腰椎の後方部分である椎弓と椎弓根の間に亀裂が入る疲労骨折という考えが有力です。早期には骨癒合を期待できますが、放置すると完全に分離して腰椎の不安定性の原因になってしまい、加齢とともに分離した腰椎が前方に移動する腰椎分離すべり症になり、神経の圧迫による下肢痛が発症することもあります。変形性腰椎症は、変形が進んで高度になると、椎間板の変性も生じるために椎間が狭小化し、そのため後方関節の変形性関節症変化が生じ、慢性の疼痛が生じるようになります。椎間板ヘルニアは、椎間板の変性や断裂により一部が突出したり線維輪が断裂し、髄核が脱出して神経を圧迫し、下肢に神経症状が出ます。腰部脊柱管狭窄症は、変形性腰椎症が進行すると神経が通る脊柱管が狭くなり、神経が圧迫を受け、神経への血流が低下することで発症します。椎間板ヘルニアに比べ中高年に発症することが多く、また、背骨を後ろに反らすと脊柱管が狭くなり、前に曲げると広がるので、間歇性跛行が起こります。

■けんこうQandA 循環器科(11)
ー冠動脈硬化を予防しましょうー
Q 最近、坂道を歩いたり重いものを持ったりした時に胸が痛くなるのですが大丈夫でしょうか?
A 心臓を養っている冠動脈という血管が動脈硬化で狭くなっているためかも知れません。放っておくと、血管が詰まり心筋梗塞になったり、血流が不十分で十分な酸素や栄養が心臓に送られないために、心不全になる可能性があります。動脈硬化予防のためには、禁煙や高血圧、コレステロール、糖尿病の適切な管理が必要です。薬を飲んでいるからと安心してはいけません。きちんとしたコントロールが予防につながります。狭くなってしまった血管の治療には、血管を拡げる薬を使ったり、ステントという金属の筒で血管を拡げるカテーテル治療や外科的な冠動脈バイパス手術があります。いずれにせよ冠動脈が狭くならないための予防が一番で、常日頃から食生活などに注意し、生活習慣病にならないよう管理することが大切です。タバコを吸っている方は、まずは禁煙しましょう。

■形成外科医療録(11)
ー良性腫瘍と形成外科ー
これまで部位別に疾患を説明してきましたが、今回は皮膚・皮下腫瘍の話です。今月は良性腫瘍を、来月の最終稿で悪性腫瘍の番です。
外来で多いのは、粉瘤です。表皮嚢腫やアテロームとも呼ばれます。薄い膜状の袋の内部に垢がたまる腫瘍で、ゆっくり大きくなりますが、特に自覚症状はありません。ただし、細菌感染をきたすと痛みや腫れを呈します。化膿もピークになるとぶよぶよして、膿が自然と出ることもあります。良性ですが、感染をきたす前に摘出したほうがよいでしょう。
粉瘤と似ている腫瘍に石灰化上皮腫(毛母腫)があります。若年者に多く発症し、硬く触れます。
脂肪腫は、脂肪組織が増殖したものです。脂肪腫のほとんどが皮下にありますが、筋肉の層に存在する脂肪腫もあります。自覚症状がないことが多く、特に背中の脂肪腫では大きくなって気づくことも珍しくありません。
皮膚線維腫はやや硬くかつなだらかに盛り上がった腫瘍です。表面は淡い褐色から黒に近い色を呈します。

◎かかりつけ医の紹介・相談は、医師会事務局へ
(ホームページURL【HP】https://www.iwaki.or.jp)

提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
【電話】38-4201

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