■田人地区×カフェ
紺野琴水さん
2020年11月から2023年3月にかけて田人地区の協力隊として活動。
◇地域おこし協力隊がつないだ縁
2020年11月に田人地区の地域おこし協力隊として、神奈川県から本市へIターンしてきた紺野琴水(こんのことみ)さん。卒隊した昨年4月には「一凛の花株式会社」を設立し、古民家カフェ「HITO-TABI」の運営やイベントの企画などを行っています。
前職は、航空会社でグランドスタッフとして勤務していました。海外の方と接し、異文化の考え方や価値観に日々触れる中で「ありのままの自分でいられる場所」や「癒しの場所」を作りたいと考えるようになったそうです。
そんなとき、コロナ渦によって、これまでの日常や働き方などが大きく変わり始めた頃、何か新しいことを始めたいと考え、頭の片隅でずっと思い描いていた「癒しの場所」づくり。紺野さんにとって一番心が落ち着く癒しの場所は、大好きな祖父母が住む「いわき」でした。その思いと行動を後押しする機会となったのが「地域おこし協力隊」。都会からいわきへ移住する決意を胸に、紺野さんの挑戦が始まりました。
◇「人の温かさ」に恩返し
前任の協力隊が地域の方と設立した古民家カフェ「HITO-TABI」。その運営に協力隊として携わりながら、経営のあり方やコンセプトを根本から見直した紺野さん。地域の方と協力しながら田人産の食材にこだわり、地域に根差すカフェであるとともに、若い世代の交流人口を増やす取り組みを積極的に進めていきました。こうした地域の方たちとの触れ合いの中で芽生え始めた気持ち。「人の温かさにどれだけ助けられたか分からない。そんな地域に恩返しがしたい」その気持ちが、田人町での起業を決心させました。
卒隊した現在は「HITO-TABI」の事業を承継し、昨年11月にはゲストハウスをカフェ内にオープン。地域で雇用を生み出すことが重要と考え、地元雇用に力を入れています。
「家族のように自分を温かく受け入れてくれたこのまちを、これからも大切に守り続けていきたい」と話す紺野さん。
田人町に咲く一凛の花。皆さんもその癒しの場所へぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。
◇Information
HITO-TABI(ひとたび)
住所:田人町黒田唐沢35
営業時間:11:00~17:00(ランチ~14:30)
定休日:月曜・火曜
■川前地区×クラフトビール
三戸大輔さん
2020年6月から2023年3月にかけて川前地区の協力隊として活動
◇地域おこし協力隊は夢との懸け橋
2020年6月に川前地区の地域おこし協力隊として、広島県から本市へUターンしてきた三戸大輔(さんどだいすけ)さん。
世界を旅する中でクラフトビールの味や作る楽しさに魅了され「いつか自身のブルワリー(醸造所)を開業させたい。そして、世界に一つのクラフトビールを生み出し、多くの人に魅力を広めたい」と夢が芽生えた三戸さん。その夢を実現させるため、ドイツでクラフトビール作りの修業を積んできました。
日本に戻り、ブルワリー造りの修業をしていた時、地域おこし協力隊のOBと出会い、その取り組みに感化され、自身もクラフトビール作りで地元を盛り上げるための活動に貢献できないかと考え、川前地区の地域おこし協力隊に応募しました。
川前地区は約50年ほど前まで、ビールメーカー向けの原料となるホップや大麦を育てていた歴史があり、三戸さんが思い描くクラフトビール作りには最適な土地でした。
地域おこし協力隊として、自身の夢、そして地域の活性化を実現するための挑戦が始まりました。
◇川前の恵みをクラフトビールに込めて
協力隊任期中は、川前町の耕作放棄地を活用して「二条大麦」と「ホップ」を地域の方々と協力しながら栽培・収穫し、川前産クラフトビール「いわき乾杯!KAWAMALE(カワマエール)」の試作品2種類を完成させました。
2023年3月に卒隊した現在は、これまでの活動で培った地域との深い絆、そして豊かな自然を生かし、念願だった「サンディーブルワリー」を川前町下桶売地区に開業しました。また、このブルワリーには、ゲストハウスも併設する予定だそうです。
三戸さんが愛する川前の「恵み」と「人」。そのまっすぐな思いを自身の醸造技術と感性によって磨き上げ、完成される唯一無二のクラフトビール。今年は、2月に第3弾目が完成し、3月に川前町や市内の飲食店で開催される完成お披露目会にてその味を楽しむことができます。
夢を仕事にできる幸せ、その夢が地域と人、そして未来をつないでいきます。「ビールと一緒に川前の魅力を思い切り楽しんでもらいたい」そう語る三戸さんの夢と挑戦はさらに拡がっています。
◇Information
サンディーブルワリー
住所:川前町下桶売字藪ノ上130
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