■目のアンチエイジング
体のエイジング(老化)には、さまざまな要因が関わっていると考えられており「糖化」と「酸化」はそのひとつです。目のエイジングも例外ではなく糖化と酸化が影響を及ぼすことが分かってきています。
私たちが食事から取った糖質とタンパク質が結びつくことを糖化といいます。糖化が進むと焦げにあたる物質が生まれて体の中に溜まり、細胞に炎症をもたらして老化を早めます。また、体内で酸素と栄養素が結びつくことを酸化といい、同時に活性酸素という副産物も作り出します。この活性酸素は高い酸化力を持ち、過剰に増えることで体のサビつきを促進させて細胞を傷つけ、同じように老化を早めます。
目の老化が進むと白内障や黄斑変性症などの病気にかかりやすくなり、かすみ目やゆがんで見えるなどのさまざまな目の症状に比較的若いうちから悩まされます。普段から心がけたいことは、ストレスをためない・紫外線を浴びすぎない・喫煙を控える・激しい運動を避ける・焦げのついた食べ物を取りすぎないことなどで、これらが糖化と酸化の抑制につながり、目のアンチエイジングにも効果的といわれています。
日本人の平均寿命は延びていますが、目の健康寿命は六十歳代が限度ともいわれています。日ごろからアンチエイジングを心がけ、目の健康寿命も延ばして、よく見える生涯を送りたいものです。
■けんこうQandA 放射線治療(11)
Q:子宮がんの放射線治療について教えてください。
A:子宮がんには、子宮の入口にできる子宮頸(けい)がんと、奥の内膜から発生する子宮体がんがあります。
子宮体がんの治療は手術が第一選択です。子宮頸がんでは、早期のI・II期は手術または放射線治療のどちらを選択しても成績は同じです。進行したIII期では放射線治療と抗がん剤の同時併用が行われます。子宮がんの放射線治療は外部照射と、子宮内部に器具を入れて体内から放射線を当てる小線源治療(腔内照射)を組み合わせて行います。治療期間は6~8週間かかります。治療に伴う急性障害には、下痢、排尿・排便障害、皮膚炎、骨髄抑制などがありますが、治療後には回復します。晩期障害には、直腸膀胱障害、小腸障害、治療部位の骨折などがあります。
最近では、腔内照射の際にもCTやMRI画像を用いて線量分布を計算して治療する方法で、晩期障害を少なくできるようになりました。一部の子宮頸がんでは、重粒子線治療が保険適応となっています。
■乳腺外科(11)
ー乳がんと経済的負担ー
乳がんの治療では、医療費以外にもさまざまな経済的負担が生じます。これを専門用語で、「経済毒性(Financial Toxicity)」と呼びます。治療のために仕事を休まなければならず収入が減ったり、通院の交通費がかさんだり、ご家族による介護が必要になったりすることもあります。特に最近は、治療費の高騰が顕著です。効果の高い新しい薬が次々と開発され、薬価も高額になっているためです。
このような経済的な負担は、治療への意欲を下げたり、不安やストレスを強めたりすることがあります。若い患者さんの場合は、仕事のキャリアへの影響や、お子さんの教育費との両立など、将来への不安も大きくなりがちです。
それでも昔と比べれば、経済的なサポート体制も整ってきました。高額療養費制度という医療費負担を軽減する制度や、民間の医療保険の適用を確認しましょう。また、働きながら治療を続けるための支援制度も整ってきています。
大切なのは、経済的な心配を一人で抱え込まないことです。担当医やソーシャルワーカー、看護師に相談してみましょう。経済面での対策を早めに考えることで、治療に専念できる環境づくりが可能になります。
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(ホームページURL【HP】https://www.iwaki.or.jp)
提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
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