■収蔵資料紹介(10) たばこ入れ
写真は、秋季企画展「旅する人々」でご紹介している資料のひとつです。このたばこ入れは、煙管(キセル)が使われていた時代のものなので、明治期までに使用されていたものと思われます。棒状の部分にキセルを入れ、たばこは財布のようなかたちの部分に入れておき、帯にはさんだり、着物のたもとに入れたりして持ち運びました。
たばこ入れには、いろいろな形があり、巾着型のものもあれば、紙巻きたばこが売り出されると、箱とマッチ、ライターを入れるような形のものまで、さまざまです。
この形のものは、江戸時代から明治時代まで流行し、器用な人は、気に入った素材で自作したようです。女性の櫛やかんざしに比べると、すぐに気付かれる華やかなものではありませんが、取り出したとき、その粋なつくりに周囲の人をうならせるような携行品を、当時の男性は好んだようです。
もちろん、矢立や財布などとともに、このような品物も旅の携行品でありました。
※写真は本紙P.32をご覧ください。
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