■日展とは?
日展とは、日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5つの分野で構成される日本最大の総合美術展覧会です。明治時代、日本は諸外国との交流の中で芸術文化レベルアップの必要性を感じていました。そんな中、日本の美術振興を目的として明治40年に第1回文部省美術展覧会(略して文展)が盛大に開催されたのです。日展はこの文展を礎とし、以来、時代の流れに沿って「帝展」「新文展」「日展」と名称を変えつつ、百年以上、常に日本の美術界をリードし続けてきました。現在は公益社団法人日展が運営母体となり、各分野の巨匠や新人が活躍しています。2007年からは国立新美術館で開催されるようになったほか、全国巡回展も行われています。
■三春から2名の方が入選!
日展「書」の部において、三春町民の佐久間啓さんと吉田將史さんが入選される快挙を成し遂げました。今回は入選されたお二人にお話しを伺いました。
◆佐久間啓さん(雅号 憬雲)
1.元々、日本画家の東山魁夷が好きで、魁夷が出している画集の中の文章を選びました。
2.作品にする詩を決めてから数百枚書きましたが、何枚書いても1枚目を超えることはなく、結局日展に提出したのは1枚目に書いたものでした。書き始めるときの新鮮な気持ちが表れていたのかもしれないですね。
3.漢字も書けば、平安朝の仮名などなんでも書きます。特に近代詩文書と呼ばれる漢字かな混じりの書は総合芸術だと思っているので、暇さえあれば色々と試しながら書いています。
4.一人で物事を続けていくのでは張り合いがないですし、書をやりたいと思う方がいらっしゃれば、一緒に勉強していくという気持ちで共に成長していきたいと思います。また、どこかのタイミングで自分の作品を町の人に見ていただける個展のような機会を持ちたいと思っています。
第10回日展(2023) 東山魁夷の文 佐久間憬雲
◆吉田將史さん(雅号 寛山)
1.馬戴は中国唐の時代の詩人で、この詩は長江流域の風景を詠んだものです。
2.よく見てもらうと気づくと思うんですが、文字に動きが出るように、行ごとの文字間はすべて隣り合わないように書いています。文字間や文字の大きさを大切にしています。
3.何でも書きますが漢字の楷書が多いですね。力強い書体がかけるように精進しています。
4.小学校時代に書写の先生に褒められたのがとても嬉しく、それが書道をやり始めるきっかけでした。全国的に見ると若い世代の書道人口はとても多いんです。三春でも子どもたちが書に触れる機会を増やせたらと思っています。
第10回日展(2023) 馬戴詩 吉田寛山
サイズは共に「二×八」(横61cm×縦242cm)
1.作品について
2.作品を書いているときのエピソード
3.普段よく書く書体
4.書を通じてどういう活動をしていきたいか
※詳細は、本紙P.8をご覧ください。
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