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【歴民コラム】三春歳時記 葉月(はづき)

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福島県三春町

8月の別名・葉月は、由来がはっきりしていません。葉が黄葉して落ちる月「葉落月(はおちづき)」、稲穂が出る「穂発月(ほはづき)」が省略されたといった説が有力です。また、雁が初めて渡って来るので「初来月(はつきづき)」の略ともいいます。
現在の8月は夏の盛りですが、二十四節気では、7日が立秋で残暑を迎え、22日が処暑で少しずつ秋の気配が感じられる時期です。朝顔、向日葵(ひまわり)、百日紅(さるすべり)が咲き誇り、酸漿(ほおづき)が実る季節です。
さて、八月朔日を略したのが八朔(はっさく)ですが、徳川家康が初めて江戸城に入った日として、武士にとっては重要な贈答日で、盂蘭盆(うらぼん)を中心としたお中元が始まる日でもあります。江戸時代の三春藩士も、この朝、登城した後、親類へお祝いを遣わしました。
そして、旧暦の7月中旬だった盆が、月遅れの盆となり、8月になると各家で盆棚を拵え、新盆の家では高灯籠を掲げて祖先の霊の依り代としました。12日が花市、13日が墓参りで、近年まで士族は1日早い12日に墓参りをしていました。しかし、江戸時代の藩士の記録では、13日に墓参りをするとあり、盆棚に蓮か里芋の葉にアラヨネ、茄子、胡瓜、ささげなどを供え、14日が迎え仏で迎え火を焚き、餅、おはぎ、素麺、蓬飯などを15日まで食べたようです。16日には茄子、胡瓜、瓜、夕顔などで馬や牛を作り、盆棚の飾りや供物をムシロに包んで、川に流して精霊たちを送りました。
また、盆の前後には各地で盆踊りが催され、町内各所に櫓が建てられ、新しく買った下駄の歯がなくなるまで踊り回ったといいます。24日の地蔵盆には、州伝寺の一時地蔵をはじめ、城下町外れに建てられた六地蔵や各所で祭りがあり、盆踊りも踊られました。

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