■食でつながる食で健康プロジェクト 第5弾「発酵食品」
日本の伝統的な食文化である『和食』に欠かせないのが、大豆から作られる味噌・醤油・納豆などの『発酵食品』です。これらは、“発酵のチカラ”を活用して作られ、日本人の健康的な食生活を支えてきました。
近年の健康志向から関心の高まる『発酵食品』。その良さに改めて注目し、市内で『発酵食品』を生産している方々に、食品づくりへの熱い思いを聞きました。
◆発酵食品で適塩!
2019年の国民健康栄養調査によると、日本人の食塩摂取源は味噌・醤油などの調味料が約7割を占めており、調味料の使い方や選び方が『適塩』につながります。
▽味噌
大豆と米、塩という少ない材料で作られており、麹菌や乳酸菌の力により、甘味・うま味・香りが引き出された食品です。
▽醤油
通常16%程度の塩分濃度で作られますが、香りを守りながら醸造すると13%程度の塩分濃度でも美味しく感じることができます。
▽納豆
その年に収穫した新鮮な大豆で作り、出来立てを出荷することで、大豆そのものの味で美味しく食べることができます。
発酵食品は、五感で味わうことにより、適塩につながる食べ方ができます。
◆野菜たっぷりの味噌汁で適塩!
味噌汁に野菜をたっぷり入れると、野菜に含まれるカリウムにより、食塩の主成分であるナトリウムの排泄が促されます。
市の管理栄養士は、「1日1杯・野菜たっぷりのごちそう味噌汁」をおすすめしています。
◆国田屋醸造(竹田)
◆福島県醤油醸造協同組合(油井)
▽地元のニーズに合わせて、大切に丁寧に
「最近、うちの醤油を『しょっぱい』というお客さんが増えてきたんです」
減塩を推奨する時代の流れを感じる中で、そのニーズに応えながらも、よりおいしい醤油の製造へ挑戦しました。
『香味しょうゆ』は、醤油本来の香りを大切にしながら、従来の濃口醤油から2%の塩分濃度の削減に挑戦したものです。正直、受け入れてもらえるのか、不安な部分もありました」と、紅林さんは語ります。その自慢の香りは、ふくよかで、口にする前から豊かな風味を感じさせます。「香りの成分が豊かであれば、塩味が少なくても味わいのある醤油が作れると信じていました」との言葉に、健康や時代のニーズを考えながらも、『醤油』という普段使う調味料だからこそ、おいしく使い続けてほしいという、醸造に対する熱い思いが伝わりました。
◆小浜納豆(小浜)
▽地元の大豆を納豆に
「地元の新鮮な豆で作った納豆を食べて欲しい」
その思いに引き寄せられるように、地元の農家の皆さんが大事に育てた大豆が集まります。
「この納豆に合う醤油や塩をいろいろ試したんだ」と渡辺さんが教えてくれた『五葉(ごよう)黒豆納豆(くろまめなっとう)』と『青豆納豆』には、醤油ではなく昆布塩が添えられています。素材の味を大切にし、おいしく食べることを大事にする渡辺さんこだわりです。
また、小浜で農業を営む菅野寿雄さんは、その素材となる岩代地域の伝統野菜「五葉黒豆(ごようくろまめ)」と「青豆」を栽培しています。異常気象により不作が続く中、対策を考えながら、伝統野菜を守り続けています。
「実は、納豆は生鮮食品。出来立てを食べてもらいたいな」と話す渡辺さん。学校給食には、出来立ての納豆が届けられ、こどもたちは出来立ての美味しい納豆を通して、素材の味を学んでいます。
◆発酵食品と適塩
適塩を目指すためには、調味料を使う量だけでなく、腹八分目以上に食べないなど食べる量にも注意が必要です。また、調味料をかける前にまずは一口、素材の味を味わってみましょう。
“発酵のチカラ”で香りや旨味成分が豊かになった『発酵食品』を日々の食生活に取り入れることは、適塩を目指すことにつながります。『食』を楽しみながら、健康を目指していきましょう。
問い合わせ:健康増進課成人保健係
【電話】55-5109【FAX】23-1714
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