■自彊術(じきょうじゅつ)で毎日を楽しく、元気に 柳沼 貞さん(保原地域)
背筋を伸ばし、腕立て伏せをする柳沼さん。93歳の柳沼さんの健康の秘訣(ひけつ)は「運動」にある。「自彊術」という健康体操を習い始めて26年。健康な体から湧き出る明るい笑顔が、周りの仲間を元気の渦へ巻き込んでいる。
▽継続は力なり・67歳で始め26年
自彊術には31の動作があり、足の先から頭の先まで全て動かし、全身の経絡(けいらく)(ツボ)を刺激します。覚えるまでは難しかったのですが、数年かけて覚えていくうちに体がほぐれるようになり、すっかりとりこになってしまいました。最初はできなくても「できるようになった」という達成感があり、やっていると、どんどん楽しくなりました。
▽健康な体が健康な心をつくる
教室に行くと体も心も軽くなります。免疫力が上がったのか風邪を引かなくなりました。コロナ禍も感染対策をしながら自彊術を続けていて、不思議と恐怖感はありませんでした。自分に合っていて心の調子もいいようで、しょっちゅう笑っています。心が重いと笑いも出ないけど、自然と朗らかになります。
▽学びたいお年頃…独自の健康法
自分で考えて続けている健康法もあります。毎朝起きたら両手両足を上に伸ばして、そのまま100回ぶらぶらします。両足首も内外10回ずつ回して、両足の裏を擦り合わせます。調子がいい時は100回。血の巡りがよくなってポカポカします。
テレビや本で健康に関する情報を見るのが好きで、自分の生活に取り入れています。この年になると吸収したいことがいっぱいなんですよ(笑)。
▽長生きの秘訣(ひけつ)とこれからの目標
人間の脳の半分は運動するようにできていると聞いたことがあります。運動して楽しく生きていきたいと思います。生きていると気になることは山ほどありますが、あまり気にしないことが大切だと思っています。
目標は、今の体の状態を保ったまま100歳まで健康に過ごすことです。もしそこまで命を与えてもらえたならピンコロで(笑)。それがいいですね。
■Profile
やぎぬま さだ
1930年生まれ。93歳。67歳の時(26年前)、富士山登山をした帰りのバスで友人から自彊術に誘われ習い始める。現在は毎週金曜の午後、保原中央交流館で仲間と汗を流している。
■自彊術(じきょうじゅつ)
医療制度が不十分だった1916年、治療術を元に考えられた日本最初の健康体操といわれている。31の動作があり、身体可動域の極限まで動かす全身運動。全国に約4,700の教室があり、公益社団法人自彊術普及会の会員は約5万人いる。
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