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輝いている人を紹介します まちのキラリ

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福島県伊達市

■農学博士 福島虫の会 三田村敏正さん(梁川地域)
珍しい虫が目の前に現れると、瞬時に目が輝き出す三田村さん。講演会や観察会などで全国各地を飛び回る研究者の素顔は、昆虫好きの無邪気な少年といった印象だ。そんな三田村さんに、虫好きエピソードやこれから挑戦したいことを伺った

◇昆虫を探そう!やながわ希望の森公園自然体験学習会〜昆虫採集と標本作り〜
8/12(土)9時〜12時
場所:やながわ希望の森公園
定員:30人
講師:三田村さんほか福島生き物探検隊昆虫専門家数人

問合せ:港屋漢方堂薬局
【電話】577-0251

◇幼少期から虫が大好きだった
私が小さい時は近くに田んぼや草原があったのでよく虫採りをしました。幼稚園の時、近所のお兄ちゃんたちはギンヤンマを捕まえられるのに、自分はとれなくて大泣き(笑)。高学年になって※トンボ釣りでオスを4匹捕まえ、指の間に挟んで見せびらかして、無念は晴らした!と思った記憶が残っています。

◇伊達の夏で観察を楽しむ
希望の森公園や霊山の湧水の里、月見館森林公園などいい場所があります。例えばエリアを決めて、蝉の抜け殻を探して「いつ頃・どこに・何匹」いたか毎日記録するだけで自由研究になります。蝶もたくさんいるので、一日中観察して「蝶道(ちょうどう)」と呼ばれる決まって飛ぶルートを突き止めるのも面白いですよ。

◇虫の調査と人の暮らし
一昨年梁川で外来種のツヤハダゴマダラカミキリを見つけて大騒ぎになりました。トチの木などに寄生して枯らしてしまいます。福島市の平和通りの並木なども被害に遭って伐採しました。サクラやモモなどを好む外来カミキリが栃木あたりでは確認されているので警戒しています。新種発見などのいいニュースならいいのですが、環境と人の生活に害を及ぼす虫もいるので、定期的な調査が必要です。

◇これから挑戦したいこと
海外に昆虫の調査に行っています。コロナ前に行った台湾では、水生昆虫などはまだまだ進んでいません。それらの解明の役に立てたらと思います。
また、調査を続けている繭(まゆ)も「人の役に立つ方法はないか」という観点で研究を深めていきたいと考えています。

◇子どもたちに期待すること
生き物好きの子どもたちがそのまま成長してくれたらうれしいです。開発などが入ると貴重な生き物がいなくなってしまいます。山を見た時に「何も役に立たないから切り開こう」と思うか「生き物がたくさんいるからなんとかしよう」と思うか。成長して自然から離れても、自然を見た時に感じることがある大人になってほしいですね。

※トンボ釣り…おとりとしてメスを紐で結んで飛ばし、オスを捕まえる方法。

■Profile
みたむらとしまさ
1960年東京都葛飾区生まれ。1991年から旧梁川町にあった蚕業試験場に15年間勤務。現在は福島県農業総合センター浜地域研究所で花の栽培の研究や農薬試験、水生生物の調査などに取り組んでいる。専門は蚕と水生昆虫。著書に『繭ハンドブック』『ゲンゴロウ・ガムシ・ミズスマシハンドブック』『タガメ・ミズムシ・アメンボハンドブック』などがある。(文一総合出版)

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