「平和への誓い」
去る10月8日、市主催の「令和6年度伊達市戦没者追悼式」が執り行われ、戦争で尊い命を失われた戦没者の御霊に哀悼の意を表しました。
先の大戦では、苛烈を極めた戦いの中で祖国の安泰と繁栄を願い、最愛の家族を案じながら戦場に倒れた方々、また、戦後遠い異郷の地で故郷の土を踏むこと叶わず最期を遂げられた方々のご無念とご遺族の深い悲しみに思いを馳せ、二度と戦争を起こしてはいけないと全員で誓った式典でした。
さて昨年から、市内中学校の代表生徒がこの追悼式に参列し、献花(けんか)をしています。身近な人を亡くしたご遺族の話を聞いて生徒たちは、「こんな悲劇があったことを私たちがつないで伝えていかなければならない。この追悼式を心にとめて人生を大切に生きたい」、「平和の大切さと命の尊さを学ぶことができた。毎日の“当たり前”を大切にしていきたい」。そして国際情勢にも触れ、「今起きている紛争や国際問題などがなくなって平和な世界になってほしい」など、式典後に書いてもらった感想シートに自分の言葉で綴つづっていました。
次代を担う彼らは、追悼式への参加という体験を通して、戦争が一人一人の自由と幸せを奪うものであること、そして、この平和を守り続けていくには、先の戦争を風化させることなく語り継いでいくことの大切さを学んだと思います。
現在では、戦後に生まれた世代がこの国の9割近くを占めるようになりました。戦争体験の話を聞き、その行為の本質を知る機会が急速に失われています。私たちは今を生きる者の使命として、戦争の悲惨さと愚かさを真に理解し、次の世代へしっかりと伝えていかなければならないと式典を通して強く思いました。
須田 博行
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