■住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けるための地域づくり・生活支援
伊達市では、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、住まいを中心に医療・介護・生活支援と介護予防が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」を推進しています。
今回は、この中の生活支援と介護予防から「生活を支える地域づくり」を行う生活支援コーディネーターの活動と、要介護状態の人が自立に向けてできることを考える「自立支援型地域ケア会議」を紹介します。
◇生活支援コーディネーターの活動「3つの役割」
社会参加と生活支援のできる地域支え合いの体制をつくるために、住民の中に入って協働する存在が生活支援コーディネーターです。地域の現状や住民の「困りごと・やってみたいこと」から、地域の関係者と社会参加や生活支援などの仕組みを一緒に考えていきます。
《地域ニーズと資源の見える化》
「情報提供・問題提起」
地域支援の各専門職が地域課題や対策を考える話し合いの場づくり
《関係者同士、顔の見える関係や話し合いの場をつくる「ネットワーク構築」》
コロナ禍で活動が低下した地域のつながり(集まり)活性化のための、地区関係者の話し合いの場づくり
《必要とする住民が資源を利用できるようにつなげる「資源開発・マッチング」》
コロナ禍で地域の集まりが減少。地域の社会資源となる人(民生委員・調理ボランティアなど)の協力で、こもりがちな高齢者の「交流の場」を開催
◎伊達市生活支援コーディネーター 鈴木千夏(すずきちか)さん
伊達市には、仲良く気に掛け合う地域の支え合いがたくさんあると感じています。近所の人が集まり、おしゃべりやお茶のみなどをする「ふれあいサロン」が149カ所、集会所で体操などを行う「元気づくり会」が155カ所あるのも「みんなで元気に年を重ねたい!」という思いがあるからでしょう。
これからの「人と人とがつながる」支え合いを次の世代に受け継ぐため、地域の支え合い情報を集め、さまざまな場所で紹介し、年を重ねても安心して暮らせる地域づくりを目指します。
◇自立支援型地域ケア会議
高齢者の自立支援と要介護状態の重症化予防、高齢者のQOL(生活の質)向上の実現を目的とした会議を、定期的に実施しています。
個別事例について、医療・福祉職などの多職種により検討し、自立した生活を目指した支援方法を話し合います。
《会議で取り上げた事例と専門職の助言(一部)》
身近なテーマと、生活に取り入れやすいアドバイスをご紹介します。ぜひお試しください。
(事例1)一人暮らしの高齢者が、転倒予防をしながらこれからも自宅で安心して暮らしていくために
助言1:本人、家族、支援者で、自宅内外の転倒しやすい箇所や場面を検討する。「転倒予防ノート」を作成し、共有することで改善につながる事例があったので活用すると良い。
助言2:入れ歯の調整や口腔ケアは大切。奥歯でしっかり噛むことで踏ん張りが効き、転倒予防につながる。訪問診療を行っている歯科医院もあるので活用してほしい。
助言3:本人の体調や疾患によっては声が出しにくいこともある。人と話す、声に出して本や新聞を読むことで、嚥えんげ下機能の強化につながる。
助言4:高齢者は特に低栄養に注意し、たんぱく質を摂取することを心掛ける。
(事例2) 在宅で生活する認知症の人への支援
助言1:認知症の種類によっては、誤ごえんせいはいえん嚥性肺炎の危険性が高いものもある。食事の内容や形態に工夫が必要になることもあるので、必要時は栄養士へ相談すること。
助言2:飲み忘れなど薬の管理について不安があれば、お薬カレンダーや一包化(服用時間が同じ薬などをまとめて一袋にすること)を活用する。訪問相談に対応している薬局もあるので活用する。
助言3:本人の趣味、やりたいことを実現できるような環境づくり。人とのコミュニケーションは認知症進行予防につながるので、家族だけでなく地域の力を借りて本人を支援していくことが大切。
市では、介護予防・認知症・口腔ケアに関して出前講座を実施しています。詳しくはこちら(市ホームページ)
※広報紙P.29に二次元コードを掲載しています。
問合せ:高齢福祉課地域包括ケア推進係
【電話】575-1125
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