■「4年後、絶対プロになる」髙中選手、新たな挑戦へ
聖光学院高校野球部60期の主将としてチームを率い、U-18ベースボールワールドカップ世界一の歓喜を伊達市に届けてくれた髙中選手に、聖光学院でのかけがえのない経験と、これからの夢を伺った。
ーなぜ、聖光学院で野球がしたいと思ったのですか?
コーチの勧めで聖光のオープンスクールに来て、小・中とやってきた野球とは違う感覚を感じました。「こういう野球をしてみたい!」と思って聖光に決めました。
ー実際入ってみて、どんなところでしたか?
まず先輩たちが本気で野球をやっていると感じました。練習よりもミーティングを重視することが衝撃でした。
「どういう人間になるか」という話が特に印象に残っています。「うまい人になるのではなく、強い人」とずっと言われ、目指してきました。
ーチーム作りではどんなことを意識していましたか?
周りから「チームは主将で決まる」と言われていました。自分がいつも正しい行いをしなければ誰もついてきてくれない。自分次第でチームが変わると思っていました。
2年の夏の終わりに横山部長から「おまえはずっと笑っとけ」と言われました。※赤堀さんも常に笑顔でした。当時は理解できなくて苦しかったこともありましたが、今年の春夏を経て、その意味が分かるようになりました。自分が暗くなるとそれがチームに伝染します。表情ひとつで雰囲気が変わるので、明るい立ち居振る舞いを心がけました。福島県大会の決勝戦も自然と笑顔になっていました。どれだけ苦しい場面でも、それを楽しめるようでなければと。自分が発光体になれたらと考えていました。
ー世界を経験しどんなことを感じましたか?
準決勝・決勝に出させてもらえましたが、それまで打席に立つチャンスがなくて、悔しさやもどかしさがありました。聖光ではレギュラーだったので、控えの選手の気持ちを初めて実感できました。試合に出ていなくても全力で支援してくれたことを思い、改めていい仲間がいて自分は幸せだな、最高の仲間だなと思うことができました。
ー伊達で印象に残っていることはなんですか?
夏がめちゃめちゃ暑いことと、冬はめちゃめちゃ寒いことです(笑)。地域の方には雪かきのお手伝いで感謝の言葉をいただいたり、いつも声をかけていただいたりして、温かい人たちに巡り合えたと思います。
ー最後に大学や、その先の目標を教えてください
4年後、絶対にプロになるという強い気持ちを持っています。高校で日本一になる夢は叶えられなかったけれど、東洋大学で日本一をとれるように、そしてプロ野球選手になれるようにがんばりたいです。大学野球は、自分たちとは体が全然違っていて、差を感じています。体をしっかり作って、プロでも通用するように技術も磨きたいです。そして、周りから目標とされるようなプロ野球選手になりたいです。
※前主将の赤堀颯選手(現・國學院大學野球部1年)
◇聖光学院/野球部 髙中一樹(たかなかかずき)
178センチ80キロ/内野手 右投右打
2006年生まれ、愛知県日進市出身の18歳。日進西中学校を卒業後2021年に聖光学院高校へ進学し、2024年4月から東洋大学(東都大学野球連盟2部リーグ)に進学する。聖光学院では1年の秋からレギュラー入りし、2年の秋から主将を務めた。春1度、夏2度の甲子園大会出場経験があり、2022年夏の甲子園大会ではベスト4に輝く。2023年8月・9月に行われた「第31回WBSC U-18 ベースボールワールドカップ」に出場し、日本チーム初の世界一に貢献した。
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