■おいしくて、どこか懐かしい ハルエばーちゃんの凍(し)み餅(もち)作り
~加藤 ハルヱ さん(月舘地域)~
伝統的な保存食「凍み餅」を作り、つきだて花工房へ軽トラックを運転して納品する加藤さん。バリバリ働いて、スマホや電子マネーも使いこなす好奇心旺盛な89歳だ。凍み餅の魅力だけでなく、いきいき過ごすコツを伺った。
◇管理が大変「凍み餅は生き物」
4月にヨモギを収穫して、茹でて冬まで冷凍することから凍み餅作りは始まります。冬になったら、ヨモギを混ぜた餅をつき、形をきれいにして、約40日間の乾燥作業に入ります。
凍み餅は、乾き過ぎると割れてしまい、湿気が多いとかぶれてしまう。寒中の風にさらすだけでは上手にできあがらないもの。毎日の天候を見て、湿度を管理し、凍み餅にとって最適の環境作りをしています。
自信を持って作っているから、いろんな食べ方で食べてほしいですね。砂糖醤油やきな粉はもちろん、揚げたりピザにしても実はおいしいんですよ。
◇規則正しく「動く、動く」
月舘町の冬は寒いですが、住めば都。どんな日常でも規則正しい生活は大事ですね。21時に寝て、5時には起きるし、1日5000歩は必ず歩くようにしています。働くことも苦に感じないので、凍み餅だけでなく、ネギやアスパラも作って出荷しています。グランドゴルフや友人に誘われて旅行に行くことも大好きで、とにかく動いてないと落ち着かないんですよ(笑)。
◇いつも心に「笑顔で楽しく」
幸せだと思って過ごさないと幸せではないから、できるだけ笑顔でいることを心がけていますね。今後も元気でいるために、家族、友達との付き合いを大事にしていこうと思います。
長く伸びる「もち」のように、凍み餅をまだまだ皆さんに届けていきますが、後継者も増えてくれるとうれしいですね。つなぐことも役割だと思ってます。
■Profile
かとう はるえ
昭和10年生まれ。89歳。川俣町で生まれ、24歳で結婚を機に月舘町へ移住。母の凍み餅作りを手伝っていたことをふと思い出して、60代から凍み餅作りを始めた。今では冬の大事な仕事になっている。
◇ハルエばーちゃんの凍み餅定食
つきだて花工房で4月30日まで限定で提供中。「古き良き食文化を次の世代へ」をテーマに、つきだてやさい工房とのコラボ商品。天栄村のこだわり醤油をつかった、砂糖醤油きな粉和え、具沢山な味噌汁もついた全6品。
※前日の午前中までに予約が必要です。
【電話】024-573-3888
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