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市長コラム 第67回

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福島県伊達市

「消滅可能性自治体とされた伊達市」

民間有識者でつくる「人口戦略会議」は、全国の4割の自治体が2050年までに消滅する可能性があるとの報告書を公表しました。20〜39歳の女性が50%以上減少するとの理由から「消滅」と分析したもので、福島県でも震災と原発事故の影響が大きい浜通りを除く7割の自治体が該当し、伊達市も消滅可能性自治体とされました。

人口減少にはさまざまな背景があり、若年女性の動態だけを根拠とした結論には大いに疑問がありますが、“若者流出”が伊達市の大きな課題なのは間違いなく、危機感を持って対策に取り組まなければならないと重く受け止めています。

さて、今回の人口戦略会議の報告は、2020年以前のデータを用いて将来予測をしていますが、伊達市における直近の5年間(2019年~2023年)のデータを見ると、30代女性の転出が減り転入が増えるいわゆる「転入超過」の傾向がより強くなっています。子育て施策や住環境整備の効果が現れているともいえます。しかし、就職を契機に20代若者の転出が依然として多く、特に女性の転出超過が多数となっています。

若者が定住するためには働く場の確保が重要であり、特に女性の就労環境の改善が鍵となります。北欧諸国など、女性の就業率が高い国ほど出生率が高いというデータもあります。人口減少対策は、女性が社会で十分能力を発揮できる環境が不可欠であり、これができないと消滅可能性が現実となるのだと思います。

伊達市ではこれまで、3つのPlace(場所)の整備を進めてきました。「働く場」としての工業団地、「子育ての場」としてのこども園や児童クラブ、「楽しむ場」としての交流施設や大規模商業施設などなど。これからも、男女問わず安心して働ける環境整備を進め、若者の転入超過により「消滅可能性自治体」からの脱却を図ってまいります。

須田 博行

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