小さな命、地域猫を助けるために「福耳の会」代表としてできること
■菊田 由美子 さん(伊達地域)
県内で飼い主が見つからず行政に保護される猫の数は約1,600匹(令和4年度)。このうち半数以上が命をなくし、福島県が全国で最も多い状況。何ができるのか多くの人に伝えるため、菊田さんは今日も命に向き合う。
◇犬猫が成長させてくれた
平成24年に、我が子のように可愛がっていたチワワが亡くなり、どうやって自分が生活していたかもわからなくなりました。それだけの精神状態になったけど、救ってくれたのはやっぱり犬猫たちでした。引きつけられるように犬猫の保護施設に行き、休日は全て動物愛護活動のボランティアに捧げ、「自分の居場所はここだ」と思いましたね。活動は犬の散歩などから始まり、イベントの開催、更にはラジオのパーソナリティも努めたんですよ(笑)。正気にしてくれた犬猫たちに、自分自身の力できちんと恩返しがしたくて、令和5年に「福耳の会」を立ち上げました。
◇「助ける」は選択肢を増やすこと
衰弱してしまった保護猫が元気になった時や、トライアル(猫が新しい家に慣れるか実際に一緒に暮らす)先が決まった時は本当にうれしいです。悲しい目に合ってしまう保護猫を減らすために、家に迎え入れることがゴールではありますが、大切なことは関心を持っていただくことだと思っています。知識を付けて発信すること、保護猫のための募金をすること。ボランティアにはさまざまな形があり、誰にでもできるんです。
◇笑顔で感謝「一日一善」
思い返すと、笑顔でいたからできたことばかり。保護主と福耳の会のメンバーには本当に感謝しています。実は、災害時にペットも保護できる施設を作る目標があります。人とのつながりを大事に、目標達成を目指してがんばっていきます。
◇「福耳の会」の活動
保護猫・保護犬の
(1)譲渡会開催
(2)里親募集の情報発信
(3)TNR ※や地域猫に関する啓発などを行っている。
※「TRAP(捕獲)」、「NEUTER(不妊手術)」、「RETURN(元の場所に戻す)」の頭文字。地域猫の健康を守る活動をいう。
6月16日(日)に開催した譲渡会には、たくさんの人が来場。10〜11月頃にも市内で譲渡会を開催予定。公式SNSで情報を随時更新中。
[Profile]きくた ゆみこ
昭和40年生まれ。58歳。二本松市で生まれ育ち、福島市の「NPO法人SORAアニマルシェルター」で動物愛護の重要性を学ぶ。美容室「ジェイズヘアー」開店を機に、伊達市へ移住。
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