《第78回国民スポーツ大会トランポリン競技5位入賞》
伊達市立保原小学校 教諭 菊地 智周 さん(保原地域)
演技の「高さ」「移動の少なさ」「難しさ」「美しさ」で採点されるトランポリン競技の世界。小学校の先生として働きながらも懸命に練習を続けた。多くの苦悩を乗り越え、児童たちの応援を胸に全国の舞台へ“跳躍”する。
◇トランポリンはまさに「人生」
きっかけは5歳の頃、姉に付いて行ったトランポリンクラブが最初で、僕はなかなかトランポリンから降りたがらなかったみたいです(笑)。そこから現在に至るまで、トランポリンと共に歩んできました。
でも、僕は周りの選手と比べてもセンスがなく、一つの技を習得するのに4年かかることもありました。そして、頭で考えている動きが突然出来なくなってしまう“ロストスキル”に昔から悩まされてきたんです。高校のインターハイとなれば、チームのメンバー構成に影響が出ますし、コーチや仲間たちとしてはとても扱いづらい選手だっただろうと思います。それでもみんな、絶対に見放すことなく、一生懸命やっている姿を認めてくれていたことが、僕の心の支えになりました。そんなコーチの姿が格好よくて、僕が教員を目指したきっかけにもなっているんです。
◇小さい頃から楽しみでした
相馬市の育ちですが、小さい頃からよく伊達市には来ていました。まきばのジャージーのアイスクリームが大好きで、買ってもらえるのがいつも楽しみでした。やっぱり「ごま」味が外せないですね!
◇あたたかい皆さんに囲まれて
今回の大会で、保原小学校の児童や先生からたくさん応援していただきました。皆さんがメッセージを書いた横断幕もプレゼントしてくれたんです。
先生方にはご迷惑をおかけしましたが、皆さん本当にあたたかくて、教頭先生は予選が行われた秋田県まで、サプライズで応援に来てくださいました。会場で気がつけなかったことがとても申し訳ないです(汗)。
本当にたくさんの人に支えていただいたことが今回の結果につながったんだと思います。
これからは指導する者として、皆さんに恩返ししていきたいと思います。
◎Profile きくち ともなり
1997年生まれ。相馬市で生まれ育ち、東京学芸大学に進学。2019年の第74回国民体育大会でも5位入賞の実績を誇る。
令和5年度から伊達市立保原小学校に勤務し、現在は5年4組の担任を受け持つ。
◎国民スポーツ大会(旧国民体育大会)
都道府県対抗、各都道府県持ち回り方式で毎年開催される、国の重要行事の一つであるスポーツ大会。令和6年は佐賀県で開催され、トランポリン競技は全国各地から勝ち上がった8人が決勝で競い合った。
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