■収蔵資料展
伊達市の東側にそびえる霊山。ここは、国の史跡および名勝に指定されています。伊達市のシンボルともいえる標高825メートルのこの山に、登山したり、麓にあるこどもの村や紅彩館に行ったりした人も多いのではないでしょうか。
この山は、古くからの歴史を秘めています。(1)の画像は、仙人水から東物見岩にむかう登山道( (2)の画像)で採取された焼物です。鎌倉時代終わりから南北朝時代の始まり頃に、今の愛知県瀬戸地方で焼かれたもので、広口壷(ひろくちつぼ)もしくは瓶子(へいし)という、液体をいれる器です。
器の外側には、花と葉を連続してスタンプしています。それを一面に施すことで、非常に華やかな模様となっています。表面には、灰釉(かいゆう)と呼ばれる釉薬が、模様部分に特に厚く掛けてあります。
この器に似た完形品は、国の重要美術品になっています。福島県内では、郡山市安子ヶ島(あこがしま)城跡や、三春町三春城跡で出土していますが、いずれも、これほど大きな破片ではありません。
鎌倉時代終わりから南北朝時代の始まり頃に、このような優れた器を持つことができる人が、霊山に暮らしていたということになります。
◇令和6年度第3回企画展
「収蔵資料展〜ふるさとの山 霊山〜」
2月15日(土)〜5月6日(火・祝)まで
伊達市保原歴史文化資料館
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