会津図書館では貴重な所蔵資料をデジタル化して公開しています。その中から懐かしい風景などを紹介します。
■今回、紹介するのは「会津名物類聚(あいづめいぶつるいしゅう)」
江戸時代後期から幕末にかけて、名産品や神社仏閣、温泉などさまざまな事柄を相撲の番付表(ばんづけひょう)に見立てて順位を付ける「見立(みたて)番付」が、全国で盛んに作られました。
「会津名物類聚」は、会津藩領各地の名物や特産品を番付にしたもので、大関(※1)から前頭まで順位付けした左右各66種のほか、中央の欄には行司から勧進元(かんじんもと)(※2)までの16種、合計148種の品目が番付に紹介されています。品目には蝋燭(ろうそく)や塗り物などの工芸品をはじめ、蕎麦(そば)などの食品、大根や松茸などの農林産物、しじみなどの水産物、刀などの武器武具、鈴虫などの生き物など多種多様な品目となっています。ちなみに、順位は公に認定されたものではなく、作者の大須賀清光(おおすがせいこう)(※3)が個人的に順位付けしたもので、作者の深い知識と遊び心が感じられます。
※1…当時の最高位。横綱は1909(明治42)年2月以降に最高位として明文化された
※2…興行主や主催者
※3…「若松城下絵図」や「蛤御門(はまぐりごもん)の変図屏風」などを描いた町絵師
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