21人の高校生が「憧れの大人」を取材
株式会社やまさん
代表取締役 谷田部 真敏(やたべ まさとし)さん
◆この機会を無駄にしたら次のステージはない!
原町区にあるフルーツ専門店「Fresh fruit Yamasan(やまさん)」。専門店としての強みを生かした珍しいフルーツが並びワクワクした気持ちになる場所です。
そんな楽しい気持ちになる「やまさん」も、コロナ禍の影響を受けました。代表の谷田部さんは「このまま立ち止まっていてはいけない」と家族やスタッフを守るべく動き出します。いつかはコロナが収束すると信じて次の手段を模索する中、フルーツゼリーを県外に進出させる機会を得ます。県外進出に当たって容器もプラスチックから瓶に変え、フルーツゼリーの武器である「透明感」を保ったまま売り出すことにこだわりました。全国の百貨店に期間限定で出店して大成功を収めたのです。
共に働くスタッフを信頼し、次の手段を考え、行動する谷田部さんの「機会を無駄にしたら次のステージはない」との言葉から、決して諦めない強い心が感じられました。
◆松屋銀座店オープン
9月に「やまさん」は大きな一歩を踏み出しました。銀座のデパート「松屋銀座」に常設店舗をオープンしたのです。谷田部さんは以前から「世界の人が集まる場所で南相馬のもので勝負をしたい」という思いを持っていました。松屋銀座に期間限定で出店の機会を得た「やまさん」。人気が人気を呼んだ結果、常設店となったのです。
それでも「理想に一歩近づけた出店」と話す谷田部さんの言葉通り、常設店出店に満足せず理想に向かって進み続けています。
地元南相馬で多くの人たちに恵まれ、自身を成長させてもらった感謝を胸に「今度は故郷に利益を還元したい」と歩みを進めます。
◆こだわり続けることの大切さ
「やまさん」のフルーツゼリーは、カットから詰め合わせまでを全て手作業で行っています。旬のフルーツをおいしく良い状態で提供する。谷田部さんがずっと大切にしているこだわりです。今回の取材で、妥協せずにご自身のこだわりを大切にして前進していく重要性を、谷田部さんから教えていただきました。おいしいフルーツを提供することに対して、妥協しないこだわりがあるからこそ「やまさん」は多くの人に愛され続けているのだと思います。
●編集後記
取材を通して谷田部さんの仕事に対する熱意・思いを感じることができました。仕事やフルーツの話になると目がキラキラと輝き始める少年のような雰囲気がありながら、ずっと変わらないこだわりを守り、松屋銀座店出店をはじめ前へと進む姿勢を持ち続ける迫力に圧倒されました。コロナ禍で思うようにいかなかった時も前向きに歩み続けた谷田部さんの強さは、私たち高校生にも勇気を与えてくれます。逆境でもプラスに物事を捉えて実行する大切さを、谷田部さんの行動が教えてくれました。
-編集部員代表 原町高校1年 白瀬 心春(こはる)さん、原町高校1年 鈴木 桜子(さくらこ)さん
(一般社団法人あすびと福島編集協力)
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