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自治体の皆さまへ

記録として次の世代へ ふるさと絆通信 第117号ずっとふるさと。双葉町。

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福島県双葉町

■双葉町を忘れない
平成23年3月11日に発生した東日本大震災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故により、私たち双葉町民はふるさと双葉町を離れ、今もなお全国に分かれて避難生活を送っています。
先の見えない不安な生活の中で、町民の皆さんが毎日をどのような思いで過ごし、ふるさと双葉町への思いを抱き続けているのかを、皆さんの声をお聴きしながら「ふるさと絆通信」として連載しています。
そして「ふるさと絆通信」を通して、皆さんの双葉町への思いと心の絆がより一層深まることを期待いたします。

■「ふるさと絆通信」であなたの想いを伝えてみませんか。
ふるさと絆通信では、避難されている皆さんへ想いを伝えていただける方を募集しています。
避難生活での活動や日々の生活の中で感じていること、ふるさと双葉町への想いをこのコーナーでお話ください。双葉町民の方ならどなたでも結構ですので、ご連絡をお待ちしています。
株式会社鹿島印刷所(南相馬市)の記者が町民の皆さんの避難先を訪問し、インタビュー取材をさせていただきます。
掲載する文章は、その内容をもとに記者が作成しますので、インタビューをお受けいただいた方が文章を作成する必要はありません。

問い合わせ先:秘書広報課
【電話】0240-33-0125

■猪狩 敬子(いがりけいこ)さん(長塚一)
避難先:双葉町駅西住宅

▽周囲の方々からの励ましで
浪江町出身で結婚を機に双葉町民となりましたが、隣町同士で土地勘があり親戚や知人・友人もいるため、生活に大きな変化はありませんでした。
子育てに一区切りがつき、夫婦で自由気ままな時間が持てるようになった矢先、夫に先立たれましたが、義父や子どもたちをはじめ、周囲の皆さんからの励ましもあり少しずつ日常を取り戻すことできました。

▽人々のふれあいを感じられる中
長年、浪江タクシーに勤務し、自宅近くにあった営業所(東邦銀行双葉支店隣)で、電話による迎車の受付やドライバーとの無線応対にあたっていました。常連のお客様が多く、働き始めて数年経った頃には、受話器から聞こえる声を聞いただけでお客様が誰か分かることも多く、また、お客様も私のことを覚えてくださるなど、人々のふれあいを感じられるような地域の繋がりの中、楽しく働かせていただきました。

▽家族離ればなれの日々
原発事故による避難では、未曾有の事態で混乱もあり、デイサービスに通っていた義父とは離ればなれになりましたが、しばらくして会津坂下町の施設でお世話になっていることがわかりました。一方、私は県内外各地を経て白河市に落ち着きましたが、両市町間は交通の便が良くないため、頻繁に面会に行くことはできませんでした。そこで、関係各位にお願いし皆さまのご尽力もあり、平成23年末、白河市内の施設に移れる予定したが、それを目前に力尽き、叶わぬこととなってしまいました。

▽帰還への希望が見えてきた
町を離れて間もなくの頃は、故郷には帰れないと言われていましたが、一時立入りできるようになり、数年後には除染が始まり、帰還への希望が持てるようになりました。そのため、駅西住宅の入居者募集には真っ先に応募し、町に戻る準備を始めましたが、家族や周りの方々からは、不便な生活を心配して反対されました。

▽町の様子は変わっても「故郷は同じ」
駅西住宅に暮らし始めて先月で1年を迎えました。入居当初、度重なる報道取材にストレスを感じることもありましたが、一人でも多くの方が帰還や移住をすることに繋がればと思い協力してきました。何度も同じことを質問されるなど快く感じられないこともある一方、実際の生活で感じたメリットやデメリットを話すことで、郵便局の開設など、インフラの整備・充実に繋がり、少しは新しい故郷づくりの役に立っているのかなと感じることもあります。
町の様子は変わってしまいましたが「海から陽が昇り列車の音が聞こえる」そうした基本的な姿は震災前と同じです。

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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