■第2回 レスキュー資料紹介―双葉高校の誕生―
双葉町教育委員会では、東日本大震災後の平成23年7月から町の歴史に関する資料のレスキューを開始し、平成26年からは個人宅に残された資料のレスキューにも取り組んでいます。
今回紹介する資料は、かつて町内にあった佐々木薬舗よりレスキューした旧制双葉中学校(現双葉高校)の建設作業現場に掲示されていたとみられる「時間表」です。当時の佐々木薬舗の当主が学校建設を援助した経緯で譲り受けたものと伝えられています。
旧制双葉中学校は、大正11年1月11日に建設が開始され、工事期間中の大正12年4月16日には仮校舎で第一回入学式が挙行されました。その後、大正15年6月2日にようやく竣工を迎えました
この時間表には、1日の作業の流れや工事に際しての心得が書かれています。例えば、開始は午前6時、昼食は午前11時30分、終業は午後6時など当時の労働環境を知ることのできる重要な情報が記されています。
また、時間表には「大正12年3月16日双葉中學校」と書かれており、第一回入学式のちょうど一カ月前に作られた看板であることもわかります。昨年創立100年を迎えた双葉高校の歴史を伝える貴重な資料と言えるでしょう。
皆さんのご自宅にも町の歴史を知るうえで貴重な資料が発見されるのを待っているかもしれません。お気軽にご相談ください。
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