■夢と希望のある「学び」へ
日の短さが寂寥(せきりょう)を感じさせる今日この頃、早いもので令和6年も師走を迎え、総まとめの時期となりました。今年も国内はもとより、世界各国において異常気象とも言うべき自然災害が起こり大きな被害に見舞われた地域が多くありました。さらには、元日に起きた能登半島地震による甚大な被害、いまだ復旧が進まない地域の状況が報道されています。毎年のように猛暑が続いたり、記録的な大雨をもたらす線状降水帯が発生したりと、今までに経験したことのない天候の変動が報道されました。行政として防災対策を見直しながら、地域住民の安全を担保するべく対策をしっかりと構築しなければいけないと思いました。
それから、感染症についてもコロナ禍以前の状態に人々の流れが戻り、一方で感染拡大対策の緩和により、季節性インフルエンザが例年より流行しているとも報道されております。ご家庭におかれましても再度、基本的な感染症予防対策に取り組んでいただき、この冬を安全で健康に過ごしてほしいと思います。
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故による全町避難から、特定復興再生拠点区域の避難指示解除、そして双葉町役場新庁舎における業務再開から2年3カ月以上が過ぎました。町内での居住人口も173名まで増えてきております(11月1日現在)。
復興・創生が一歩一歩進む中、町の将来を担う子どもたちへ『文教の町、双葉町』を継承しつつ、夢と希望のある「学び」をどのように提供するか、「まちづくりは、人づくり」の理念を基盤としつつ、令和5年度組織された「学校設置検討委員会」で教育基本構想を策定し、令和6年度は次の段階の「教育基本計画」を策定するため議論を進めているところです。
■令和6年度双葉町郷土文化講座 11月9日
震災後、町内での開催は初めてで、双葉町産業交流センターにおいて開催されました。
講師の西村慎太郎先生(人間文化研究機構国文学研究資料館教授・総合研究大学院大学教授)は、震災後、双葉町の文化財レスキューにご支援いただきながら、古文書整理には今までずっとご指導いただきました。
「双葉町の歴史と文化を未来へ伝える方法~「大字誌」の世界~」と題してご講演いただき、町民のみならず、近隣町からも参加者があり約30人の皆さまに受講いただきました。
東日本大震災及び原子力発電所の事故から13年8カ月が過ぎ、双葉町の景観が大きく変化していく過程にある今、古い記録や人々の記憶をどのようにして後世に伝えていくかが、町はもとより各行政区の皆さまの大きな課題となっています。西村先生の講演の中で、双葉町の古代から近世をトピック的にお話いただき、改めて私自身たいへん興味・関心が高まりました。これからも計画的にこのような郷土文化講座を開催する予定でありますし、しっかりとご案内申し上げますので、どうぞ今後ご聴講いただきたいと思います。
双葉町教育委員会教育長 舘下 明夫
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