長崎大学では、健康福祉課内にスタッフが駐在し、放射線被ばくと健康についての相談窓口を担当しています。『広報ふたば』を通じ、放射線と健康に関する情報を発信しています。
■特定帰還居住区域の空間線量率の測定
長崎大学では、特定帰還居住区域内の放射線の環境を調査することを目的に、宅地の空間線量率の調査を実施しており、下長塚行政区、三字行政区内の23戸を対象に、住民の方から許可を得て、玄関、家屋裏、庭の3カ所で放射線を測定しました。調査は2023年10月から2024年10月までの期間、3カ月ごとに空間線量計(NaIシンチレーション検出器)を用いて行い、毎回の結果を住民の方へ報告しました。
これまでに除染解体が完了した9戸を測定した結果、空間線量率の平均値は、除染前は庭が最も高く1.46マイクロシーベルト/時でしたが、除染後は0.65マイクロシーベルト/時と大きく減少し、家屋裏が最も高くなりました(表)。これは、除染によって庭の植物や土が取り除かれる一方、家屋裏は山や植物の生えている場所から近く、周辺環境からの影響が生じているためであると考えられます。除染前後の放射線量を比較した平均減少率は、玄関前で38%、家屋裏で36%、庭で50%でした。皆さまが安心して生活できるよう、引き続き2024年4月に追加認定された特定帰還居住区域内の調査を継続していきます。
放射線と健康に関する疑問や質問がありましたら、長崎大学・復興推進拠点のスタッフに、お気軽にお問い合わせください。
▽写真 測定ポイント(本紙をご覧ください)
▽表 宅地の空間線量率の変化(測定件数9件、地上高1メートルでの測定)
問合せ:健康福祉課 健康づくり係
【電話】0240-33-0131
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