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自治体の皆さまへ

双葉町二十歳を祝う会(2)はたちを迎えた皆さんへのメッセージ

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福島県双葉町

■二十歳を迎えた皆さんへ
双葉町長 伊澤 史朗

輝かしい新春の今日の良き日、二十歳を迎えられました53人の皆さん、誠におめでとうございます。
多くの夢と希望に満ち、前途洋々たる皆さんに対し、心からお祝いとお喜びを申し上げます。
また、皆さんをこれまで深い愛情をもって健やかに、育んでこられました保護者の方やご家族の皆さまに、心からのお祝いと深甚なる敬意を表する次第です。
双葉町では、昨年度より成人式に代わる記念事業「はたちを祝う会」として二十歳を迎えた皆さんをお祝いすることとしております。二十歳を迎えた皆さんは、小学1年生の時に東日本大震災と原発事故により双葉町を離れることになり、町内の小学校に通った最後の児童となりました。しかし、避難生活という逆境にも耐え、本日、このように立派に成長した皆さんのお姿を拝見することができ、感無量であります。
長い間全町避難が続いていた双葉町は、一昨年の特定復興再生拠点区域の避難指示解除により、全町避難から帰還へと大きく動き出しました。しかしながら、双葉町の新しいまちづくりには、まだまだ課題が多く残されており、皆さんの熱い情熱と若いエネルギーを必要としています。これからも持ち前の世界観や柔軟な発想で多くを学び、ぜひまちづくりに積極的に参加していただき、自然豊かで歴史・文化の薫る「ふるさと双葉町」の再生に向けて大きな推進力となっていただきたいと思います。
また、双葉町では働く拠点として中野地区復興産業拠点を整備して企業誘致を行い、現在、22件、26社との企業立地協定を締結し、17社が操業を開始しております。若い皆さんの働く場所として選択肢の中に入れていただければと思います。
さて、世界に目を向けると、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から2年が過ぎてもいまだに戦闘が続き、大勢の市民が国外へ避難している状況です。さらにパレスチナ自治区のガザ地区を実行支配するイスラム原理主義組織のハマスがイスラエルを奇襲攻撃したことをきっかけに、パレスチナ紛争が激化し両者に多くの犠牲者が出ています。わが国をはじめ、世界経済はこのような武力衝突により大きく歯車を狂わせております。
今後も経済の大きな変動や地球温暖化による自然災害など、予測不能な危機や環境の変化は様々な形で発生することを予測し、対応することが求められています。そして、このような不安定な時代こそ人とのつながりやそこから得られる教訓は、個人の心の健康を支え、新たな挑戦への力を与えてくれるものと信じております。皆さんには、人と人のつながりを大切に、震災からの教訓や経験をもとに、困難な状況に陥っても決して諦めず、客観的な視点で状況を的確に捉え、柔軟な考え方で対応できるような強い力を身につけてほしいと願っています。そして皆さんにはやりたいことを明確にし、なりたい自分を思い描きながら未来に向けて歩みを進めていくようお願いいたします。
結びに、二十歳を迎えられた皆さんの、若い力と行動力を大いに期待し、輝かしい人生を歩まれることを心より祈念いたしましてメッセージといたします。

■剛毅果断
双葉町議会議長 伊藤 哲雄

心身ともに健やかに成長され、二十歳を迎えられた53人の皆さんに、心からお祝い申し上げます。
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から今年で14年目を迎えます。あの震災以来、生活が一変し、友達とも離れ離れになり、大変な苦労と苦難を乗り越えて立派に成長された皆さんにメッセージを送ります。
社会経済活動に深刻な影響をあたえ続けてきました新型コロナウイルス感染症が5類に移行され、今後の私たちを取り巻く社会環境に大きな変化をもたらしている一方で、新しいものが生まれる可能性を秘めているものであります。コロナ禍で進んだDX化は必要不可欠な時代となってきており、今後様々な環境でますますデジタル化社会が進展するものと考えられます。
しかしながら、これからの皆さんが生きていく日本の社会は、厳しい不況や緊迫の一途をたどる国際情勢、少子化・高齢化といった社会情勢の変化、また、地球温暖化に深刻な環境問題など、実に多くの課題を抱えていますが、一人一人の意識改革と地道な行動が何よりも必要なのは言うまでもありません。
双葉町は今、未曾有の災害を乗り越えようと、復興・ふるさと再生に歩みを進めておりますが、今後のまちづくり、新たなふたばブランドを構築していくためには、創造性豊かな若い力が不可欠です。「栴檀は双葉より芳し」のことわざにあるように、大成し大きく羽ばたき、新生双葉町の創造に向けて大きな役割を担っていただくとともに、今後ますますの変革と発展を目指すために、若い情熱と感性、そして英知や先見性を携えたエネルギッシュな行動力に大いに期待するものであります。
皆さんには、今後とも研鑽を積み、これからの激動する社会をしっかりと見つめ、時流にも流されることのない自己を確立し、次世代を担う若人として、責任と誇りを持って、明日の社会を明るく健全なものとする原動力となられますよう心から期待しまして、お祝いのメッセージといたします。

■一期一会
双葉町教育委員会教育長 舘下 明夫

二十歳を迎えられました皆さんに、心よりお祝い申し上げます。
さて、皆さんが小学校1年生の3学期。3月11日の午後2時46分。皆さんはどの位、どんな事が記憶に残っていますか。東日本大震災並びに東京電力福島第一原子力発電所の事故。大地震と津波、そして原子力発電所事故による放射能汚染という複合災害によって、ふるさと双葉町を追われ、情報に振り回されながら、知らない土地での避難生活を強いられることになりました。
不安な毎日で戸惑いながらも学校生活を送り、多くの困難を乗り越えてきたことと思いますが、それぞれの場所で新たな友人との思い出を積み重ねながら、多くの方々からの支援と人との絆を深め、現在の皆さんがあるのだと思います。
そこには、「感謝」と「ご縁」そして「生かされている」という思い、更には「自然への畏敬の念」を忘れてはなりません。時の経過とともに忘却しながら新しい事に立ち向かうのが人間かもしれませんが、二十歳を迎えるにあたり成長した自分を振り返り、自覚と責任を胸に、多くの可能性に向けて、知的好奇心を高め、チャレンジ精神を発揮して未来を切り拓いてほしいと思います。
将来を見つめる皆さんの目は光り輝いております。これからも、多くの方々との出会いを大切に、自分を高め、仲間同士で人間性を磨き合うことが、皆さんの希望の光を見いだすことになるのだと思います。
現在の双葉町は、復興と新しいまちづくりを進め魅力あふれるまちづくりに取り組んでおります。ぜひ、皆さんにも、出来る範囲で、ふるさと創造に参画いただき多方面にわたる考えや新たな発想を持って双葉町の良き伝統・文化を継承しつつ、新たなまちづくりに向けた明るい未来について語り合えたら素晴らしいと思い、期待しております。
最後に、二十歳の皆さんの前途に幸多からんことをお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。

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