文字サイズ
自治体の皆さまへ

記録として次の世代へ ふるさと絆通信 第118号ずっとふるさと。双葉町。(1)

43/46

福島県双葉町

■双葉町を忘れない
平成23年3月11日に発生した東日本大震災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故により、私たち双葉町民はふるさと双葉町を離れ、今もなお全国に分かれて避難生活を送っています。
先の見えない不安な生活の中で、町民の皆さんが毎日をどのような思いで過ごし、ふるさと双葉町への思いを抱き続けているのかを、皆さんの声をお聴きしながら「ふるさと絆通信」として連載しています。
そして「ふるさと絆通信」を通して、皆さんの双葉町への思いと心の絆がより一層深まることを期待いたします。

■「ふるさと絆通信」であなたの想いを伝えてみませんか。
ふるさと絆通信では、避難されている皆さんへ想いを伝えていただける方を募集しています。
避難生活での活動や日々の生活の中で感じていること、ふるさと双葉町への想いをこのコーナーでお話ください。双葉町民の方ならどなたでも結構ですので、ご連絡をお待ちしています。
株式会社鹿島印刷所(南相馬市)の記者が町民の皆さんの避難先を訪問し、インタビュー取材をさせていただきます。
掲載する文章は、その内容をもとに記者が作成しますので、インタビューをお受けいただいた方が文章を作成する必要はありません。

問合せ:秘書広報課
【電話】0240-33-0125

■天野 莉佳(あまのりか)さん(下条)
居住先:千葉県成田市

▽やっと希望の部活に入部できたが
母と姉がバドミントンに親しみ、私もその楽しさに触れたこともあり、中学生になってから取り組みたいと思っていましたが、就学先に同部はなく、音楽も好きだったため合唱部に入りました。磐城桜ヶ丘高校への進学後、ようやく部活動でスタートすることはできましたが、新入部員で文化系出身者は私だけで、初めのうち、練習についていく体力が足りず大変な思いをしました。しかし、好きで始めたからにはやり切るという姿勢で突破しました。

▽避難所で目にしたことから
避難により町を離れたのは小学1年で、震災や原発事故について理解できるような年齢ではありませんでしたが、初めて身を寄せた川俣町の避難所で、体の不自由なお年寄りにサポートやケアを行うスタッフの姿が印象に残りました。後に、理学療法士が行っていたリハビリテーションと知り、将来そうした仕事に携わりたいと思うようになりました。

▽広く学べることへの期待
高校3年に入り理学療法士を目指すための具体的な進路を模索する中、受験先を2校に絞り説明会に参加したところ、うち1校はスポーツへの特化を前面に打ち出し、もう1校は、分野内を幅広く学べるような雰囲気がありました。
私の場合、初めから特定の方向性にこだわらず、基礎から学ぶ中で、志の元となった高齢者へのリハビリを含め、自分らしさを生かしながら何らかの専門分野を習得したいと考えていたため、志望先の後者を受験し、無事に合格することができました。

▽想像より険しい道のり
専攻分野の性質上、実習・研修など学外での活動や人との密な接触が多いため、コロナ禍での入学に不安はありましたが、授業が始まると、行動への制約を気にするより、想像以上に多くの勉強量をこなすことに奮闘する日々となりました。中でも、実技の習得において、先生や学生に対して手技を行うのと、臨床実習で実際の患者さんを相手にするのでは、理論や教科書の通りにはいかないため、戸惑うことも多々あります。また、昨年度は必修となっている海外研修でタイを訪問し、国によるリハビリ環境や考え方の違いなどを学んだり、臨床経験を重ねるなど、目標に向かっての歩みを続けています。

▽故郷で働きたい
今月で3年生となり大学生活の後半に入りましたが、卒業後は故郷に戻り、仕事を通して住民を健康面からサポートする復興の一助になれればと思っています。そのためにも勉強だけでなく数多くの社会経験を積み、日々の研鑽を続けたいと思います。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU