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ほっときらり通信

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福島県喜多方市

喜多方市地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」
医師 武田仁

■数億年前から続く発熱の恩恵
みなさんこんにちは、今回は発熱の話です。新型コロナやインフルエンザの流行もあり、「熱があるので、解熱薬がほしい」と希望する方が多いですが、そもそも風邪を引いた時に出る熱とは何なのでしょうか。
感染症にかかったときの発熱は、動物界では一般に広くみられる現象です。恒温動物である哺乳類や鳥類はもちろん熱を出しますが、自分の体で熱を生み出せない爬虫類や両生類、魚類、甲殻類、昆虫でさえ、感染症にかかると暖かい場所に移動し、熱を蓄えて体を温めようとすることが知られています。さまざまな研究から、感染症の時の発熱は、数億年前から動物に備わっている生体防御反応のひとつであることがわかっています。
発熱した状態では、好中球という白血球の活動が平熱の時よりもはるかに活発になり、インターフェロンという抗ウイルス物質がより多く作られ、より効果的に働くようになるなど、体の免疫力のさまざまな面が強化されます。解熱薬の影響を調べた研究では、感染症の時に解熱薬を使いすぎると病気の治りが悪くなったり、かえって症状が強くなることがあると報告されています。
ただし、風邪の時に解熱薬を使っていけないわけではありません。熱に伴う不快感が強く、つらくて休めない、眠れない時などには、頓用で解熱薬を使い、体の負担を軽くして体を休めた方がいい場合もあると思います。ぐったりして食事がとれない、つらくて動けないような状態の発熱も、我慢せずにお医者さんに相談するようにしてください。

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