ほっときらり通信

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喜多方市地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」
医師　武田仁

■喜多方市民の生活習慣と健康問題
皆さま明けましておめでとうございます。今回は生活習慣の話です。以前、日本人の死因のトップ3は、「がん」「心臓病」「脳卒中」が定番でした。しかし、ここ数年のトップ3は「がん」「心臓病」「老衰」となり、もうすぐ「老衰」が「心臓病」を追い抜く勢いで増えています。
喫煙や過量飲酒、塩分の取りすぎなどの悪い生活習慣が改善され、高血圧や糖尿病などの生活習慣病がしっかり治療されるほど、心臓病や脳卒中などの病気は少なくなり、長生きする結果、がんや老衰が増えていきます。つまり、がんや老衰が多くなることは、それだけ他の病気にならず、長生きする人が増えた結果とも言えます。
喜多方市の現状はどうでしょうか。令和3年度の統計では、がんは全国民の死因の50・2パーセントを占めていますが、市では42・9パーセントです。逆に全国民の死因で脳卒中は14・2パーセント、糖尿病は1・8パーセントですが、市では21・1パーセント、2・7パーセントです。つまり市では全国に比べ、長生きしてがんになる前に、脳卒中や糖尿病などの生活習慣病で亡くなる方が多いようなのです。
生活習慣病を増やす要因には肥満、食べすぎ、運動不足、塩分の取りすぎなどがありますが、最も悪いのが喫煙であり、タバコ1箱で約4時間寿命が縮むとされています。逆に考えれば、1日1箱タバコを吸っていた人が1年間禁煙すれば、約2カ月間寿命が延びることになります。禁煙するだけで1年間が14カ月になる、どんな投資もかなわないこの最高の儲け話、今年は一念発起して乗ってみてはどうでしょう?