■斎藤清〈会津の冬(16)〉1970年 38.1cm×52.6cm、紙・木版
斎藤清(1907~1997)は会津坂下町出身の木版画家です。独学で木版画を学び、1951(昭和26)年、第1回サンパウロ・ビエンナーレ展で受賞するなど、戦後いち早く日本人版画家として世界的に高い評価を受けました。
斎藤は雪が降る度に形を変える会津の風景に魅力を覚え、1970年から本格的に〈会津の冬〉シリーズの制作を開始し、全部で115作を数えます。本作に描かれているのは勝常村(現湯川村勝常)の冬景色です。降り積もった雪や木の梢が曲線で表現されており、冬の風景を描きつつも画面に温かみが感じられます。
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