■野出蕉雨〈海鶴蟠桃図〉明治後期155・2センチ×70・6センチ、絹本著色
日本画家・野出蕉雨(のでしょうう・1847〜1942)は若松城下の武士の家に生まれ、藩の任務のかたわら、南画を学びます。明治10年ごろから本格的に制作活動を行い、昭和17年に95歳で亡くなるまで花鳥画を展開するほか、会津謡曲の振興にも努めるなど、多彩な活動を行いました。
本作には3羽のツルが描かれ、うち1羽は朝日が昇る波の上にいます。岩壁には、桃が3つの実を結んでいます。ツルと桃は長寿を表す縁起物であり、祝儀のために描かれたと考えられます。
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